以前「原稿がグレーだとどう仕上がるの?」で、グレーの原稿でも一応印刷はできる!というご紹介をしました。

グレーでも大丈夫なら、グレースケール化した写真でも刷れるのでは???
きっと皆さんも写真刷りたいですよね?ね?
ということで、さっそく写真を刷ってみました!さてどうなるか???

では、このおいしそうなソフトクリームの写真を刷ってみます!
背景から切り抜いただけの、撮りっぱなしの写真がこれ↑。

フルカラーのままではちょっと難しいので、ひとまずPhotoshopなどの画像編集ソフトで、カラーモードを「グレースケール」に変換します。

写真左が、グレースケール化したままの状態です。暗い部分と明るい部分の差があまりないですね。

このまま製版しちゃうと、刷った時余計に濃淡差が出なくなってしまうので、コントラストなどを調整して、暗い部分はもっと暗く!明るい部分はもっと明るく!した方がきれいに仕上がるのでオススメです。
右の写真は、明るさとコントラストのみを上げています。

グレースケール化(+コントラスト調整)しただけの写真を少しUPめにするとこんな感じ。いわゆる「白黒写真」ですね。

せっかくなので、ちょこっと加工したバージョンも併せて刷ってみます!「ハーフトーン」にしてみました。

わかりにくいので、ズームアップ!
写真の濃淡を、ドットの大きさ・密度で表現した白黒写真です。
グレースケールと違って、白か黒だけで表現して、グレー部分はありません。

Photoshopの場合は、写真をグレースケールにした後、メニューバーの「フィルター」→「ピクセレート」→「カラーハーフトーン」で簡単に加工できます。ドットの大きさも調整できるので、ぜひ遊んでみてください。

もう一つ加工バージョン。
暗い部分は真っ黒に、明るい部分は真っ白に、黒と白だけで表現した写真、「モノクロ2諧調」にしてみました。

写真の内容によっては、かっこいい仕上りになりそうですよね?でもソフトクリームじゃ、よくわかりにくくなっちゃうかな~

ちなみにモノクロ2諧調にする方法は、グレースケールにしてからメニューバーの「イメージ」→「モード」→「モノクロ2諧調」でOK。

では、「グレースケール」「ハーフトーン」「2諧調」の3種類の原稿を使って、さっそく刷ってみます!

ひとまずわかりやすいように、黒インクで刷ってみました。
どうですか?違いわかりますか?

ズームアップしてみます。

これはグレースケールの仕上り。
濃いところはベッタリ、薄いところはちょっとかすれたような雰囲気で、濃淡が出てますね!
元データとくらべると粗くはなりますが、写真としてちゃんとわかりますね。

これはハーフトーンの仕上り。ちょっと潰れ気味かな??
もっとコントラストをキツくすればもう少しわかりやすい仕上りになるかもしれませんね。

ラスト、2諧調の仕上りです。白と黒だけなので、元データそのまんまって感じですね。

写真というよりも、イラストっぽい雰囲気でしょうか。ロゴマークとかで使うとかっこいいかも??

せっかくなので、違うインクでも刷ってみました!
これは、SURIMACCAインクの「パン」!キャメルっぽい感じですね。黒よりやわらかい色味ですが、ちゃんと写真ってわかりますね。

もうひとつ、SURIMACCAインク「コーラル」で。明るいパステルカラーですが、これもちゃんと写真ですね!

黒インクと比べると、薄い部分がさらに薄い仕上りになるため、使うインクに合わせて写真を補正しておくと、さらにパーフェクトな仕上がりになりそうです。

最後に、シルクスクリーンで写真印刷の注意点です。
ハーフトーンと2諧調は黒部分がK100%なので、しっかり版に孔が開いていますが、グレースケールは孔がかなり小さめなので、インクが詰まりやすい可能性があります。

版を放置してしまうと、孔がふさがってしまうので、普段以上に扱いに注意が必要です。版が詰まってきたなーと思ったら、早めにインクを拭きとって、孔をキープしてくださいね。

ラバーインクのような固いインクも要注意。SURIMACCAインクは乾きにくいので、写真印刷にもオススメです!

SURIMACCAは、シルクスクリーンの製版サービスやオリジナルキットの開発のほか、シルクスクリーンの作業場を全国に拡げるプロジェクトを行っています。『JAMLAB』ではリソグラフやシルクスクリーンを使った実験や遊び方を紹介しています。

SURIMACCA
https://surimacca.com/
06-6485-7350(10:00~19:00)