6月13日(木)から始まりましたエキチグウコさんによる個展「テントセントワープ」。優しい色づかいとほんわかとした不思議な世界観のイラスト作品が並びます。
福岡からはるばる大阪のレトロ印刷での展示。コンセプトやエキチさんの今に至るまでのお話をお伺いいたしました。

-自己紹介と普段の活動をお願いします。

エキチ グウコ といいます。大学では油画を専攻していました。卒業後は美術とは関係がなくてもおもしろそうだなと思う事をお仕事で色々させて頂いてきました。アパレルの販売やプラネタリウムの解説員、高校美術の講師などさせていただいていました。 今は縁あって福岡にある川の防災施設の職員をしています。川の防災情報の発信や、飼育している水生生物のお世話、子どもたちとの川遊びやカヌー、工作教室や謎解きイベントなどの企画や実施をしています。また、個人的にご依頼をいただいた際にはイラストやデザインのお仕事もさせて頂いています。

-なぜ大阪で展示をしようと思われたのですか?

かわいいな すてきだな と思う紙雑貨やフライヤーがレトロ印刷さんで印刷されたものだったことが度々あり気になってツイッターやインスタをフォローしていました。ワークスペースの様子をみて単純にうらやましく私も遊んでみたいなと思っていたところ、展示作家募集の記事を見てとびつきました。そういえば大阪には旅行で来た事がある程度で 知り合いなどいるわけではないなと後から少しハッとしましたが冒険感があっていいなと思っての挑戦です。

-今回の展示「テントセントワープ」のコンセプトやタイトルの由来を教えてください。

タイトル「テントセントワープ」は 点と線とワープの意味でプラネタリウムで出てくる星座絵からつけました。ある場所からまたある場所へ移動して、まるでワープしているようだけど、線をつなげていくと何かの絵が描けていくというイメージです。

-今回展示されている作品の中で特にお好きなものや思い入れのある作品はありますか?

ドローイングです。好きなものや大切なものが増えたり忘れたり忙しいなと感じています。忘れたくないものや今愛用しているもの、そのあたりにいたらいいなと思っているかわいいおばけなど星座にしてみました。

-今まで影響を受けたアーティストや作家さんはいらっしゃいますか?また、その方たちはご自身の作家活動にどのような影響を与えていますか?

おそらくたくさんの作家さんの影響を受けているんですが、小岐須雅之さんのイラストが描かれた本を高校生のころ手に取って無表情な少女達のイラストがクールで、こんな風に本の表紙のイラストを描きたい、と美術予備校の先生へ最初の面談で話をしたのを覚えています。また前回大阪へ来た時に北澤平祐さんの展示を拝見しとても素敵で、カラーインクを使ってみたくなり今回初めて使用してみました。

-DMに「また絵を描きはじめました」とありますが、再び描き始めるきっかけはありましたか?

きっかけは頭の中がモヤリとした時、久しぶりに絵を描いてみると夢中になれて、なんだか救われたように感じました。制作の時間を大切にしたいと思った時に家族や職場の方の協力や応援があったのと、SNSで絵を発表されてる方の作品を見たり、自分の絵も見てもらう事ができてうれしく制作を楽しみたいと始めました。

-絵を描くうえでこだわりや意識している点はありますか?

ついついやりすぎてくどくなってしまうので強すぎる存在にならないように意識はしています。軽やかで気持ちのいいような空気をだしたいと思っていますがほんの少しの不思議さや不穏さも混ぜたいです。

-最後に今後の活動予定や目標はありますか?

今回の展示は私自身に寄り添ったとても私的な作品群となりました。自身だけではなくて誰かのきもちにも寄り添えるようなやさしい作品をつくりたいです。グッズやZINEの制作をしてイベントに参加してみたいと思っています。目標は本の装丁イラストを描くことです。