2月3日から2月15日までerikurinさんの展示『INNU SHITEN-イッヌ視点-』が開催中です。
今回の展示作品や制作についてお話を伺いました。

-自己紹介と普段の活動を教えてください。

erikurinです。

大阪で犬をメインにイラストを描いてます。
時々、小さい立体作品やグッズを作ったりもしています。箸置きとかTシャツとか。

-今回の展示のタイトルの由来やコンセプトをお聞かせください。

かわいい犬にも意思や思考、心があるということをテーマに、来てくださった方がまずはゆるっとかわいらしい犬の絵を見て、よくよく横のキャプション(文面)を読んでもらうとそれぞれの犬の都合が(あくまで私の中の考察ですが)メッセージとして伝わるよう2段階で照らし合わせてもらう楽しみを設けました。

最近、日本ではあまり見なくなった野良犬の存在ですが、ひとつ海を渡ると、人間と犬がごく自然に共存している社会があるんです。
日本でも、人間の都合で悲しい思いをしている犬が1匹でも多く彼らなりの幸せを掴めるようになってほしい、という願いを込めて、まずは人間が犬の目線に立ってみる、彼らに興味をもってもらえるきっかけに少しでもなれば嬉しいな、と思い、できるだけポップでゆる〜い感じでタイトルからコンセプトまで作りました。

-犬のイラストを描き始めた経緯を教えてください。

2018年に愛犬のゴールデンレトリバー(くりん♀)が亡くなったことをきっかけに
もっとこうしてほしかったのかな、、とかそういう後悔の思いから、犬が何を考え日々暮らしているのかなぁ、と彼らの思考に目を向けるようになり、それがイラストへと繋がっていきました。
私の勝手な考察なので、犬からしてみればいい迷惑なこともあるかもしれませんが、、笑

-今回展示をするにあたってこだわった作品はございますか。

笑顔の犬が増えてほしいという思いをテーマにしているので、あまり世間的にフォーカスされることが少ない雑種の犬を描いた作品たちです。

どうしてその犬の両親や先祖はその犬種だったのか、と雑種の子たちには犬生の背景が見え隠れするので、今回の”考察”というテーマにおいて裏のメインキャラクターになってもらっています。

-作品に登場する犬たちに実在のモデルはいらっしゃいますか。

知り合いの犬や、ネットで見つけた犬たちのすてきなポーズや仕草を、モデルというか参考にさせてもらってます。

-作品を展示している壁の下には、まるで飼い犬たちがいたずらをしたような破れたクッションやティッシュ箱などが散乱していて、
とても愛くるしい空間となっておりますが、犬たちの仕草などから創作のインスピレーションをもらうことはございますか。

めちゃめちゃあります。
街中で出会って仲良くしてくれる犬とは、触って欲しいポイントや、もしくはただ遊びたいタイプなのか、ほっといてほしいのか、などなどその子から発せられるサインを気にしながら接しています。

様々な仕草で犬は人間にサインを向けてくれているので、人間からすればイタズラに見える行動も、彼らにとっては重要な”お伝え事項”だったりすることも多いようです。
そんな点から今回は犬目線の高さでしゃがんでくれた方のみ見える隠れギミックなんかも用意しました。笑

-絵具での描画やリソグラフでの印刷、グッズではアクセサリーやシルクスクリーンプリントのTシャツなど幅広い表現方法で作品を作ってらっしゃいますが、今後挑戦したいモノ作りなどはございますか。

今後も絵具での描画は続けていきたいです。と同時に、もっとシンプルでゆる〜いタッチのイラストにも力を入れてシルクスクリーン映えするようなグッズ展開をしていけたらいいな、と考えています。

-最後になりましたが、今後の予定や目標もぜひお聞かせください。

くりん♀にやってあげられなかったことを、いつまでも後悔だけするのではなく、今生きている犬たちの1匹でも多く、笑顔が増えるきっかけをつくれるような作家活動を今後もやっていきたいな、と思います。あくまで見た人がクスッとなるようなポップな作風は守っていきつつ。


erikurin

作家のようなイラストレーターのような活動をしています。大体、大阪市内を自転車で移動することが多いです。イッヌの笑顔が増える世の中のために、自分の絵が少しでも役に立てば嬉しいです。

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