11月27日(火)~12月2日(日)までKuwa.Kusuさんによる、「あなたと つくる とどける オオさんショウさん展」が行われました。
京都の鴨川に生息するオオサンショウウオをモチーフにしたキャラクター、オオさんショウさん。ほんわかとした表情と優しい色使いにに癒やされます。
そんなオオさんショウさんの活動やうまれたきっかけなど、お話をお伺いしました!

-自己紹介と普段の活動を教えてください。

Kuwa:Kuwa.KusuのKuwaです。私はデザイナーとして活動する傍、触覚を用いたワークショップや作品制作を行っています。

Kusu:Kuwa.KusuのKusuです。私は普段はグラフィックデザイナーとして活動しています。

-オオさんショウさんというキャラクターがうまれたきっかけは?

Kuwa:実はオオさんショウさんが最初に生まれたのは着ぐるみからなんです。
その着ぐるみを作るきっかけとなったのは、私たちが学生時代に水族館へと向かう市バスのラッピングデザインをしたのがきっかけでした。
バスのデザインが完成し、市バスさんがプレスを呼んでお披露目会をすることになった際に「折角だから着ぐるみでも着て盛り上げよう!」と思い、京都ならではの生物のオオサンショウウオをモチーフに着ぐるみを作ったのが全ての始まりでした。
そこから、この2体の着ぐるみを元に平面のイラストレーションへと落とし込んでオオさんショウさんというキャラクターは生まれました。

Kusu:当時、世間では「ゆるキャラ」がブームだったこともあるんですが、私たちはこのキャラクターを一過性のものにしたくないと思っていたので、イラストレーションとしてブラッシュアップしていくのと併せて、キャラクターの名前や性別はもちろん、性格や世界観などバックグラウンドにあるストーリーなどを作り込む事にしました。

Kuwa:詳しいコンセプトなどは長くなりますので、オオさんショウさんのホームページを見ていただけばわかるかと(笑)(http://ohsanshosan.com/concept/

-今回の展示テーマはなんですか?

Kuwa:前述したコンセプトにも関わってくる話なんですが、私たちはオオさんショウさんというキャラクターを通して「自分を大切にする心」や「身の回りの自然」について気づいてもらえればと思っています。でもそれには、2人と一緒に季節の移ろいや心の動きの変化を感じてくれる「あなた」の存在が不可欠でした。なので、まずは一緒にストーリーを育んでくれた「あなた」への感謝の気持ちを伝えたいというのがこの展示の大きなテーマになっています。

-展示されている「お手紙新聞」について教えてください。

Kuwa:この新聞は昨年1年間、年間購読に限定してオオさんショウさんが発行した新聞になります。
新聞を申し込んでくれた方には、毎月頭にオオさんショウさんが作った新聞とカレンダーのついたポストカードが届くというもので、新聞が取り上げる内容は生き物や天体、暮らしのことからファッションまで、オオさんショウさんが気になった色々なことをテーマにしていました。
この新聞の大きな特徴は「お手紙新聞」の名前の通り、購読してくださっている一人ひとりに宛てて、オオさんショウさんからの手書きのメッセージがついてくる点です。書かれることはバラバラで、メッセージの内容は新聞を受け取った人にしかわかりません。

Kusu:そして読者の方からメッセージのお返事を貰った際には、文通のように次号の新聞でオオさんショウさんからそのお返事が届きます。
ですが2人からのメッセージにはお返事を書いても書かなくても構いません。

Kuwa:私たちはオオさんショウさんと向き合ってくれる一人ひとりとのコミュニケーションを大切にしたいと考えています。
そう考えるとオオさんショウさんが展開しているメディアの中でも「お手紙新聞」は顕著な存在かもしれませんね。
ちなみに購読してくれる人へはオオさんショウさんが彼らなりのセンスであだ名をつけてくれていました(笑)

-展示の中で特に見てもらいたいポイントはどこですか?

Kuwa:今回初めてオオさんショウさんの色々な展開例を一度に展示しましたが、どの表現やメディアになっても2人を通して伝えたいと考えているコアの部分は変わっていません。

Kusu:展示を見てもらうことで、オオさんショウさんたちに起きている出来事が自分にとって何に感じるのか、どうして彼らはこういう行動をとるのかなどある種自分ごとの様に捉えて楽しんでもらえると良いなと思います。

-グッズの販売もされていますが、おすすめのグッズはありますか?

Kuwa:オススメのグッズは、オオさんショウさんが来ている土日限定で販売する「優しいガチャ」です。
こちらのガチャには様々な木種でできたオオさんショウさんの顔のチャームが入っているんですが、このグッズの大きな特徴はガチャをするとついてくる木の葉の形の紙にあります。

Kusu:この紙にオオさんショウさんへのお手紙を書いて、設置してあるポストに投函してもらうと展覧会終了後にオオさんショウさんから直接お返事が届きます。オオさんショウさんとのやりとりが展覧会が終わっても続く、少し変わったガチャになっています。

-今後の活動の予定を教えてください。

Kuwa:これからですが、今回展示した触って感じてもらう本や絵本のように、色んな人がオオさんショウさんのストーリーを楽しんでもらえるような表現手法やメディアなどを模索していきたいと考えています。

Kusu:また、来年2019年には今回展示した「オオさんショウさんとオタマジャクシさん」に加えて、「オオさんショウさんと虹」「オオさんショウさんと影」の出版をしたいと考えています。「お手紙新聞」で生まれた2人のストーリーを絵本というまた違った形で、いろんな人に楽しんでもらえたらと思っています。