シルクスクリーン製版の選び方
使用するインクや、印刷する素材、図案によって使い分けましょう。簡単な早見表です。目安にご利用ください。
①使用するインク/②印刷する素材/③図案 この3つのポイントでメッシュを決めていきましょう。
この表では4種類のメッシュとインクの種類、素材は”紙”と”布”のざっくりしたもので、分かれています。
さらに詳しく仕組みを説明していきます!
JAMのシルクスクリーン製版は主に4種類あります。
70メッシュ/120メッシュそれぞれに[クリーナーあり]が選べるようになっています。
またJAMのシルクスクリーン製版はお手持ちのインクでも使用していただけます。使用するインクに推奨メッシュ数が記載されているはずですので、近い数字のメッシュ[クリーナーあり]の製版をご利用ください。JAMで取り扱っているシルクスクリーン用のインクでは使用できませんが、200メッシュのお取り扱いもございます。
70メッシュと120メッシュのちがい
網目の細かさの違いです。数字が大きい方が目が細かいメッシュです。
70メッシュ方が目が大きくインクがしっかりと素材に落ちるようになっています。
見た目ではわかりにくいかもしれませんが、細かい抜きの線の箇所を見比べると少し差があります。
細かい図案やハーフトーンなどがある場合は120メッシュを選びましょう。
[クリーナーあり]とは?
JAMで使用しているのは”デジタルスクリーン製版”となります。
紗(メッシュ)とコーティングの2層の構造でできていて、データの黒い部分だけコーティングが溶けて、孔があいている状態です。目には見えませんが、通常版はコーティングのとけたカスが付着している状態となっております。
[クリーナーあり]とはこのカスを除去するクリーナーをかけた状態の版のことです。
インクの種類で使い分け
それぞれ刷ってみた見本を載せていきます。紙に印刷したものです。クリックすると大きく表示されます。
通常色を使う場合の刷り上りはメッシュでの差はあまりありません。図案や素材に合わせて選びましょう。
使うインクの種類によっては、[クリーナーあり]の選択が必須です。
ラメ入りインクを使用する場合は、物理的にラメがメッシュの間を通らないときれいに印刷できません。必ず70メッシュ[クリーナーあり]をご選択ください。
KOTTERIインクは、通常色と比べると粘度が高いインクになります。乾燥速度も速いため[クリーナーあり]の版をご利用ください。メッシュは70メッシュがおすすめですが、図案に細かい抜きの線などある場合は120メッシュでも印刷は可能です。但、70メッシュに比べると目詰まりのリスクは高いのでご注意ください。
ラメ入りインクやKOTTERIを通常製版で使用した場合、数枚印刷しただけでも目づまりをおこします。[クリーナーあり]の製版を使用しましょう。
また[クリーナーあり]の製版で通常色のインクを使用しても問題はありません。通常インクを使用した後に同じ版でKOTTERIインクを使用する場合や、これらのインクを混ぜて使用する場合も[クリーナーあり]の製版を使用しましょう。
素材で使い分け
素材によっても変わります。通常色のインクと相性がいいのは120メッシュです。
基本的にインクがたっぷり素材に落ちるのは70メッシュです。キャンバス地などしっかりインクを落としたい場合は70メッシュにしましょう。また反対に紙など素材自体が水分を吸収すると変形してしまうものや、木材のように水分を吸収しないものだとインクが落ちすぎてしまう場合があるのでご注意ください。
同じ布でもてぬぐいやTシャツのような平らな布とトートバッグなどで使用されているキャンバス地も違います。キャンバス地は表面が凸凹しているため、表面の部分にだけインクがのってしまい細かい図案は見えづらくなってしまいます。
インクをしっかりのせたいか、素材自体が水分で変形しないか、はじいて図案が滲んでしまわないかを検討して選ぶのがポイントです。
メッシュ選びだけじゃないのがシルクスクリーン
ここまで見本とメッシュ数とインクでの解説をしていますが、他にもきれいに仕上げるポイントはたくさんあります。”刷り方”はその中でもかなり重要です。同じメッシュを使用してもスキージーの角度や力の入れ具合で変わってきます。刷り方についてはぜひこちらの記事を参考にしてください。
メッシュ選び迷ったらは、このページ一番上のメッシュ早見表をぜひご活用ください。
参考リンク
【ラボ】KOTTERIとラメインクを通常製版で印刷するとどうなるの?
【ラボ】スキージーの角度を意識しよう
【ラボ】「細かい絵、刷れますか?」