
シルクスクリーン印刷に欠かせない道具の一つがスキージー。
シルクスクリーン印刷は、簡単に言うと[図1]スキージーを使って版(孔)の向こう側へインクを押し出して印刷しているわけですが、スキージーの使い方によって仕上りに違いが出るのはご存じでしょうか?スキージーを制すものはシルクスクリーンを制す…ということで、「仕上りの差」を実際の例と一緒に見ていきましょう!

まずは基本の角度で刷ってみた
- メッシュ数:120メッシュ
- 刷る素材:少し厚めの紙

まずは基本の45度で、スキージーの角でインクを落とすイメージで刷っていきます。スキージーを動かす音が聞こえるくらいが◎
この時、スキージー全体に均等に力が入るよう手を添えるのを忘れずに!

刷れたものがこちら。



元データと比べると、さすがに漢字の複雑な部分は潰れてしまっていますが、文章としては読める程度に刷ることが出来ました!
スキージーを寝かせて刷ってみると?
次は1回目よりもスキージーを寝かせて刷ってみます。
基本の45度の半分くらいを意識して…22度くらいでしょうか。写真で見てみるとそれほど不自然な角度に見えませんが、実際にやってみると版との距離がかなり近いのでなかなか刷りづらいです。

寝かせたスキージーの結果がこちら!


1回目と比べてみました。ひらがなやカタカナ部分は読むのにそれほど苦労しませんが、漢字はほとんど潰れてしまっているので、もとの文が解らなければ読んでいくのは難しそうです。

そして左側のネコも比べてみました。こちらも黒い点と点の間がかなり潰れてしまい、ベタ部分が多くなっています。
どちらも同じ版でインクも同じものを使って刷りましたが、こうして刷る時のスキージーの角度、力の入れ具合で仕上りが大きく変わってしまうことが解りました。
なんで仕上りに違いが出るの?
基本の45度よりもスキージーを寝かせて刷ると、細かい白抜き部分が潰れました。これはスキージーを寝かせたことでインクが余分に版を通り抜けてしまい、にじみが発生しているからです。
出来上がりのイメージよりも線が滲んでしまう時や、細かい線や文字をなるべくキレイにシルクスクリーンで印刷したい時は、スキージーの角度に気を付けて、インクを余分に落とさないことを意識しながらシルクスクリーンを楽しんでください!
SURIMACCAは、シルクスクリーンの製版サービスやオリジナルキットの開発のほか、シルクスクリーンの作業場を全国に拡げるプロジェクトを行っています。『JAMLAB』ではリソグラフやシルクスクリーンを使った実験や遊び方を紹介しています。
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