「リソグラフ」ってなんだ?

レトロ印刷では、RISO科学工業さんの「リソグラフ」というデジタル孔版印刷機を使っています。RISOさんは「プリントゴッコ」を作っていた会社なので、ご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。(所さんのCM懐かしいですね!)

JAMが取り扱っているシルクスクリーン(SURIMACCA)や、レトロ印刷で使っているリソグラフ印刷は「孔版印刷(こうはんいんさつ)」という印刷方法に分類されます。

孔版印刷は、スクリーン状の版に図案になる部分だけ小さな孔(あな)をあけ、そこからインクを押し出して紙などに転写して印刷を行います。ステンシルのもっともっと細かいものと思うとイメージしやすいかもしれません。

レトロ印刷というだけあって「印刷の機械はいかにも昔の古めかしい機械を使ってているんだろう」と、思われるかもしれませんが…

これがレトロ印刷で使用しているリソグラフです。

リソグラフは、オフィスやコンビニにあるコピー機のような、コンパクトな印刷機なのです。

もともとは、学校などで高速・大量に印刷するための印刷機ですが、近年は海外のクリエイターに注目されており、ZINEや作品づくりに使われていたりと、日本よりも海外でアートのツールとして盛り上がりを見せています。
ここ数年で、リソスタジオというリソグラフを使用して印刷することができるスタジオスペースも増えています。

(Instagramで「#risograph」で検索すると、海外のアーティストによるさまざまなリソグラフ作品を見ることができます!)

リソグラフのインクドラム

インクドラムが2本セットできます。
うっすらと製版の痕が見えます

リソグラフには主に1色機と2色機がありますが、レトロ印刷で使っているリソグラフは、1度に2色まで印刷ができる片面印刷機で、最大の印刷サイズはA3サイズです。インクドラム(上写真)という版とインクが一体になった物を印刷機本体にセットして、印刷を行います。ちなみにインク1色につき1つのドラムなので、インク色ごとにドラムがJAMにあるので、ものすごい数のドラムが工場にはあります。

インクは半水性で水分を多く含むため、3色以上の印刷や両面印刷では1日置いてインクを乾かし、次の日に2回目の印刷やウラ面の印刷を行います。

多色印刷の場合、この工程を繰り返して1色ずつ印刷を重ねていくため、納期が長くなります。また、印刷位置は1色ごと、1枚ごとにわずかにズレるため、使うインクの数が多いほど、版ズレが生じやすくなります。

どこか懐かしさを感じるこの独特の版ズレが、レトロ印刷の「レトロ」な部分であり、リソグラフの魅力ですが、フルカラー印刷のように均一に仕上げることはできないので、「絶対にズレたら困る!」という印刷にはあまり向きません。

リソグラフの製版の仕組み

これがリソグラフの版(マスター)です。薄く、しなやかです。

リソグラフの製版は「デジタル製版」という方法で行われます。

読み取った原稿をデジタル信号に変換して製版ユニットに伝達し、サーマルヘッド機構の熱で「マスター」という版となる原紙に無数の小さな孔(あな)を開けて図案を製版します。

製版されたマスターはそのままインクドラムに巻き付けられ、ドラムが回転するときに、ドラム内から押し出されるインクが孔を通って印刷される仕組みになっています。
リソグラフは製版と印刷が1台の機械で完結する、素晴らしい印刷機なのです!!

リソグラフの印刷の仕組み

マスターはうすくて柔らかいため、広範囲に濃度の高いベタがあるデザインでは、インクの粘度で版がよれてしまったり、マスターに開ける孔の数が増えることで版が伸びやすくなったりと、これらも版ズレの原因となります。

他にも、水分が多いため色ムラが出やすかったり、紙がドラムから上手く剥がれずに機械に詰まったりと、印刷のトラブルが生じやすいため、広範囲に濃度の高いベタがある場合は、入稿の際に濃度をK80~90%に下げていただくようにお願いいたします。

また、レトロ印刷の特徴として「かすれ」がありますが、むかし懐かしの「わら半紙」や、片面がつるつるした「ハトロン紙」、ざらざらした画用紙のような厚紙「しろ」など、本来はリソグラフでの印刷用として作られていない紙を印刷に取り入れているため、インクが定着しにくく、かすれやインク落ちが生じます。

紙によってかすれや色ムラの出やすさは異なりますが、こちらも版ズレ同様に、アナログな仕上がりを持ち味とするレトロ印刷の特性として、ご理解いただければ幸いです。

レトロ印刷のインクたち

日本でいちばんリソグラフのインクが豊富(なハズ)

リソグラフのインクドラムたちをご紹介します。(棚と床が年季が入ってるので、少しお恥ずかしいですが…)

現在レトロ印刷では、金インクや蛍光インク、パステルインクなど、合わせて30色以上のインクを取り揃えており、ときどき限定インクとして試験的にラインナップ外の新色を期間限定で入れてみたりしています。

リソグラフは全色が特色インクのような感じなので、印刷のたびにインクドラムを入れ替えるのですが、何度も繰り返していると地味に重たいです。紙束もそこそこ重さがあるので、スタッフは腰に気を付けながら日々印刷を行っています。。。

リソグラフにしか出来ない表現がある

インクを直接紙に染み込ませる事で生まれる発色と温かみはリソグラフの良さです

「ズレる」「かすれる」はレトロ印刷の魅力のひとつですが、実際はなるべくズレないように位置合わせを行い、なるべくかすれないように確認しながら印刷しています。その上でも1枚として同じにならない仕上がりの印刷を、楽しんでいただけたらなら嬉しいです。

「レトロ印刷の入稿は難しそう…」というイメージがあるかもしれませんが、単純な1色刷りでも、オフセット印刷とは違ったアジのある仕上がりになるので、ぜひリソグラフ印刷の世界に足を踏み入れてみてくださいね。

1色500円からレトロ印刷を試せる「試し刷り」も行っています!

試し刷り|レトロ印刷
https://retroinsatsu.com/order/tameshi/

今回はレトロ印刷で使われている印刷機、「リソグラフ」に迫ってみました。
ご注文前やご注文後の入稿相談も、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ|レトロ印刷
https://retroinsatsu.com/contact/