原稿がグレーだとどう仕上がるの?

シルクスクリーン用の原稿を作成するにあたって、たまに聞かれる質問のひとつが「原稿内にグレー部分があるんですけど、製版できますか?」

基本的に原稿は真っ黒で作ってくださいね!とご案内しているので、どうしてもグレー部分ができちゃったんだけど…と心配されます。実際、グレーでも製版自体はできますよー。ただ、それの版を使って刷るときに、きれいに印刷が出ないという場合があります。「きれいに印刷が出ない」とは?どうなっちゃうの?というわけで、実験してみました!

濃度の違う文字を並べた原稿を作ってみました。それぞれの文字通り、100%はK100%、30%はK30%で作っています。このデータを使って、120メッシュで製版してみます!

はい、刷ってみました。素材は手ぬぐいのような、すこし粗めの綿の布です。SURIMACCAインクのブラック使用。薄い部分は、やっぱりかすれたような感じですね。100%部分はメッシュ全部に孔が空いているのに対して、薄い部分はまだらに空いているので、きれいに刷ってもかすれた感じに仕上がります。使用インクそのまんまの色で仕上げたい!という場合は、やっぱり真っ黒K100%の原稿がおすすめです。

あえて濃淡をつけたい!という場合は、グレー部分があっても大丈夫。ただし!レトロ印刷のシルクスクリーン印刷は、機械を使わず手の力で刷るので、力加減によっては印刷がにじんでしまい、濃淡がわかりにくくなる可能性も…。

また、薄い部分は孔自体が細かいので、インクが詰まりやすく、枚数を刷るごとにどんどんかすれてしまう可能性もあります。そんなときは、まめに版を拭いてくださいね。

真っ黒な原稿を作るときに、ひとつ注意があります!真っ黒に見えるデータでも、実はCMYKの4色を掛け合わせた、偽真っ黒データの場合が!このまま製版すると、製版機がKの濃度しか読み取らないため、写真のようなデータの場合、なんとK70%として製版されちゃうんです。カラーモードがRGBの場合も同様です。

色が混ざらないように、グレースケールのバーを使って作ると安心ですね。

特に明るいインクを使うときや、細い線がある場合は、濃度が薄いと見えにくくなってしまうので、なるべくK100%で作成し、濃度はインク自体の色で調整するのがおすすめです!インクは絵の具のように混ぜることもできるので、ぜひこだわりの色で、くっきりハッキリ印刷しましょう♪

SURIMACCAは、シルクスクリーンの製版サービスやオリジナルキットの開発のほか、シルクスクリーンの作業場を全国に拡げるプロジェクトを行っています。『JAMLAB』ではリソグラフやシルクスクリーンを使った実験や遊び方を紹介しています。

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