
1色刷りでも楽しいシルクスクリーンですが、色の重なりを楽しめるSURIMACCAインクで多色刷りをすれば、楽しさも色の数だけ増えることまちがいなし。
「1色刷りしかしたことないな~」という方にとっては、多色刷りは多少ハードルが高く感じられるかもしれません。今回のJAMLABでは、スタッフが一度多色刷り初心者の気持ちに立ち返って、2色刷りをしていきます。
データをつくる
シルクスクリーンの基本!色ごとにデータを分けます。
今回刷るのはクロワッサン。線部分を「ブラック」で、ベタ部分を「パン」で刷ります。

1色目:ベタを刷る
ベタを刷っていきます。


クロワッサン同士の距離が近いのでひとつ刷るたびに乾燥しなければなりませんが、理想の2色刷りのために、コツコツ…。
なんだかもうパンの匂いがしてきますね。
2色目:線部分を刷る
念願の2色目!多色刷りデビューへの第一歩です。
ベタ面と線部分がぴったり合うように位置をしっかり合わせましょう。
刷り台を使う場合は版を先に固定し、版に合わせて素材を動かすと位置合わせがしやすいですよ~


いざ!

2色刷り、成功~!!

そうしたら残りのクロワッサンたちにも刷っていきましょう。
最初の位置合わせもばっちりだったし、この調子でいきたいところ!
一回刷った版は裏拭きをしてあげて、いざ2個目のクロワッサン!

版を下ろして位置を合わせようとすると、
あっれー……
版が黒くてベタ面が見えないわ…クロワッサン、どこー!
位置合わせの難易度が一気に上がってしまいました。
赤い丸で示した部分とか、ぴったり合ってるのかそれともズレてるのかわからない。もうここまで来たらとりあえず目視でできるだけ合わせてみて、3個目も刷ってしまいましょう。

あーずれた。
しかもなんかちょっと惜しい。ズレてない部分もあるのに。
せっかく初めての2色刷りなのに、せっかくのかわいいクロワッサンなのに…なんだかやる気が削がれてきました。3クロワッサンめなんてもう、やけくそです。

スタッフはやけくそになってしまいましたが、みなさんは位置合わせのコツを借りながら作業していきましょう。
多色刷りの位置合わせの方法はいろいろあります。
①クリアファイルを使う方法
②トンボを使う方法
今回は新たに「クリアインク」を使う方法で位置合わせをラクにしていきましょう!
名前の通りクリア(透明)で、刷っても何も見えないクリアインク。他のSURIMACCAインクと混ぜることで、インクの透明度を調節することができます。
▶クリアインクのあそびかた
この無色透明のインクの力を借りて、今度こそ綺麗なクロワッサンを刷っていきましょう。
①何も刷っていない状態の版にクリアインクを刷る
1色目を刷った素材ではなく、適当な紙や試し刷り用の素材に刷りましょう。版の表にしっかりクリアインクが残るように、インクは多めに乗せて、2,3回刷りをすると◎


②裏拭きをする
孔の部分はあとからブラックが通るので、拭き残しのないようにしましょう。
③版の表についたクリアインクを乾燥させる
残ったインクの塊はヘラで取ってボトルに戻しておきましょう。


④あとは普通にインクを乗せて刷るだけ
さあ、これで準備は整いました。もうやけくそワッサンを作るまい。
最初はまだブラックが乗っていないので、さっきと同じように目視で位置を合わせることができます。
1個目を刷り終えて、2個目のクロワッサンを刷っていきます。

1個目を刷り終えて裏拭きをしたあとの版です。
クリアインクを乗せずに刷ったさっきの版と違い、版の上にブラックがあまり残っていないように見えますね…!?
版を下ろしてみると…


クロワッサンがどこにいるかがわかる…!
クリアインクを刷っていない版と違い、パンのベタ面が版越しで透けて見えます。
どこかどのようにズレているのかがわかりやすくなりました。
位置合わせもやりやすくなって、余裕で3ワッサン刷り終えました。

クリアインクのたねとしかけ
クリアインクを刷るというひと手間だけで、なぜベタ面が透けて見えるようになったのか?
しくみは意外とカンタン。
JAMの版は、表が「メッシュ」、裏が「コーティング」されている二層構造です。
製版機は、絵柄の部分のコーティングを熱で溶かしてメッシュだけを残してくれます。メッシュだけの部分にインクが通るしくみです。

インクで刷る前にクリアインクで刷ることで、版がコーティングされたような状態になり、その後に刷るインクが版の上に残りにくくなります。
ブラックが表にあまり残らなかったのは、先に乗ったクリアインクがメッシュをコーティングしてくれていたからということです。


SURIMACCAインクは乾燥することで定着するので、表からしっかり乾かしてあげることでコーティングとしての効果を発揮します。
逆にしっかり乾燥できていないと、後から刷るインクとクリアインクが混ざってしまいます。
そしてこのクリアインクのコーティング、位置合わせをラクにするだけでなく意外な効果もありました。
そう、掃除がしやすい!!


作業が全部終わってしまったら、片付けまでパパっと終わらせちゃいたいものです。
コーティングのおかげでブラックがスルスルと落ちるのと、ブラックインク自体が薄く乗っているので落とす量が少ないというのもあって、水場が真っ黒になりにくい。服が汚れる心配も減りますね!
※版を洗うときに強く擦りすぎたりクリアインクの乾燥が甘い場合、クリアインクも一緒に洗い落されてしまいます。クリアインクが落ちるとコーティング効果がなくなってしまうので、次回同じ版を使うときには注意しましょう。
さいごに
位置合わせのやり方に正解はなく、刷る素材や色数によって向き不向きがあります。位置にどこまでこだわるかによってもさまざまです。
人の手で刷るシルクスクリーン。ぴっったりカンペキに位置を合わせるのはどうしても至難の業です。
ですが!今回紹介した方法をはじめとする位置合わせのヒントを少し覚えておくだけで、多色刷りへのハードルはぐっと低くなります!
SURIMACCAインクは色の種類も豊富なので、好きな色の組み合わせから見つけてみるのも楽しいですよ~

今回実験で使ったもの
SURIMACCAインク(クリア・ブラック・パン)
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