
そういったSURIMACCAやシルクスクリーンのよくあるトラブルと解決策をまとめました。ちょっとしたポイントを押さえるだけでトラブル回避につながります。
かすれる

インクが素材にうまく落ちずに版に残っている状態です。長時間の作業時に起きやすいトラブルです。
✓版が目詰まりを起こしていませんか?

版にインクが詰まっているとインクがうまく落ちません。版の裏側から濡れたウエスで優しく拭き掃除してあげましょう。仕上げに乾いたウエスで水気を拭きとることも忘れずに。拭いてもとれない場合は、一度水で洗い流しましょう。
✓スキージーの角度が高くないですか?

スキージーの角度が高いと、インクが落ちにくく、かすれてしまうことがあります。インクが落ちにくい場合は、少し角度を下げてみるなど調整して印刷しましょう。
✓版と刷るものの距離、平行がとれていますか?
どんなにスキージーの力加減・角度がバッチリでも、版と刷る物との距離・平行が保てていないとスキージーの力が均等にかからないのでムラになります。印刷の際に最も重要なポイントなので刷り始める前に必ず確認しましょう。
✓スキージーに力が均等にかかっていますか?

スキージーに均等に力がかからないと素材にのらなかったインクが版に残り、かすれやムラの原因となります。両手でしっかりと持つことが基本ですが、片手で刷る場合はスキージーの真ん中を持ち、スキージーと版が接する部分に均等に力がかかるように意識しましょう。
✓インクとメッシュは合っていますか?

使用するインクに対して、メッシュ数が合っているかを確認してみましょう。
✓刷る時の力が足りていますか?
力が弱いと、しっかりとインクが下に落ちずにかすれてしまうことがあります。素材によっては1回刷りだと落ちにくい場合があるので2回刷ることによって発色が良くなります。
にじむ

インクが素材に落ちすぎて、にじんでしまっている状態です。セッティングに問題がある場合が多いです。
✓刷る時の力が強すぎませんか?
力が強いと、圧がかかりすぎてにじんでしまうことがあります。素材によっても必要な力が微妙に違うので、使う素材に合わせて調整して印刷しましょう。
✓スキージーの角度が低くないですか?
スキージーの角度が低いと、インクが出すぎてにじんでしまうことがあります。インクが落ちすぎる場合は、少し角度を上げてみるなど調整して印刷しましょう。
✓版と刷るものの距離、平行がとれていますか?

どんなにスキージーの力加減・角度がバッチリでも、版と刷る物との距離・平行が保てていないとスキージーの力が均等にかからないのでムラになります。印刷の際に最も重要なポイントなので刷り始める前に必ず確認しましょう。“浮かせすぎ”もにじみの原因となります。
✓インクとメッシュは合っていますか?

使用するインクに対して、メッシュ数が合っているかを確認してみましょう。
残像が出る

印刷の際にスキージーと一緒に、版や素材が動いてしまうことで起こりやすい現象です。
✓にじんだ後にそのまま刷っていませんか?
一度にじむと、版の裏側ににじんだ分のインクがついています。裏側に残ったインクが刷る物についてしまい、残像が出たような仕上がりになる場合があります。にじんだ場合は一度裏側を確認し、汚れている場合はきれいに拭き取りましょう。
✓版と刷る物はしっかり固定できていますか?

刷っている最中に押さえるのが甘く、版や刷る物が動いてしまうと残像の原因になります。印刷する際はフレーム、印刷する物が動かないことを確認しましょう。版の張りが弱いとこの現象が起こりやすくなるので、版が緩んできたらゴムを入れ直してしっかり張ってから印刷しましょう。
✓印刷直後に版をのせていないですか?
1つの素材に複数印刷する際、前に印刷した所が乾いていないと版の裏側にインクがつき、次に刷る時に汚してしまいます。拭き取らない限りずっと残像が出てしまいますので、必ず拭き取りましょう。もしくは印刷した所を手につかなくなるくらいまでしっかり乾かしてから重ねて刷るようにしましょう。
よくある質問
●同じ版で色違いを印刷できますか?


可能です。版を洗って違う色のインクをのせるだけで簡単に色違いを印刷できます。印刷した後、すぐに洗わないとインクが乾いて版が使えなくなるので、版を繰り返し使う場合は、必ず版を洗って保管してください。
●版の耐久性は?何枚くらい印刷できる?
一概にはいえませんが、丁寧に使用すれば数百枚でも印刷が可能です。(スタッフ実験では、連続して500枚ほど刷っても問題ありませんでした。)ただし、細かい図案や文字は欠けやすいです。大事な部分が欠けてしまうと元には戻せないので再度製版が必要です。版のまわりに小さな穴が開いてしまった場合は、裏側からマスキングテープなどで塞ぐこともできます。凹凸のある素材に印刷する場合は、版が傷つきやすいので穴が開きやすいです。印刷・洗浄を繰り返すと、連続して印刷するよりも摩耗が早いです。
●版に穴が開いた



版は丁寧に使っていても、使っているうちにどうしても摩耗してきます。印刷や掃除の際、強く擦りすぎたりすると版が傷つきやすいので、丁寧に扱うよう心がけましょう。
また、でこぼこした物に印刷する時、出っ張った部分に版があたって傷つき、穴が開いてしまうことがあります。マチのあるバッグや、でこぼこした素材に印刷する場合は、出っ張った部分が版にあたらないように中に台紙を入れるなど工夫して印刷しましょう。
穴が小さければ裏側からマスキングテープを貼り、穴をふさぐ応急処置をしましょう。あくまでも応急処置なので、摩耗が酷い場合は再度製版することを推奨します。
SURIMACCAは、シルクスクリーンの製版サービスやオリジナルキットの開発のほか、シルクスクリーンの作業場を全国に拡げるプロジェクトを行っています。『JAMLAB』ではリソグラフやシルクスクリーンを使った実験や遊び方を紹介しています。
- SURIMACCA
- https://surimacca.com/
- 06-6485-7350(10:00~19:00)