レトロ印刷の製本は難しいと感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
面付した状態でデータを作成しないといけないし……
それにインクごとに版分けしないといけないし……
ペラものならまだしも、何十ページもある本なんて……

逆に考えるんだ……工夫しだいで色んな事ができると考えるんだ……

レトロ印刷の製本データの作り方については、過去記事がたくさんあります。

レトロ印刷HP:製本データを作ろう】

【twitterモーメント:レトロ印刷で本を作ってみよう】

twitterモーメント:いろいろな製本方法や作例】

……こんなの読んでもわからない!ややこしい!という声が聞こえますね。
OK、欲張らずに1色印刷にしましょう。レトロ印刷なら1色刷でもかわいい!
「1色刷で中綴じの本を作る」と仮定して、それにほんのちょっと手を加えるだけで、なんだかえらく凝った本のように見える(かもしれない)技を紹介いたします!

1枚だけ紙を変える

レトロ印刷の製本は、複数の用紙を組み合わせることができます。
下の図のように、束ねた用紙を二つ折りして本にするので、
「本文1枚めだけ色付きの用紙を使って遊び紙ふうにする」
ということができます。

見開きで同じインクにする

レトロ印刷の製本は、用紙のオモテウラごとにインクを変えることができます。
たとえば「本文1枚目のオモテ(P1-P12)」を蛍光オレンジインクで印刷して、
そのウラにあたる「本文1枚目のウラ(P11-P2)」は若葉インクで印刷、ということができます。
その法則を利用して、たとえば

というように、本にしたとき見開きになるページでインクの色をそろえれば、
ページを開くたびにいろんなインクが現れるカラフルな本ができあがり!

部分的に多色にする

先ほどの「用紙ごとにインクを変える」ことを利用して、
「基本は1色だけど、たまに多色印刷がある」本もできますね。

たとえば、本文3枚のうち、「本文2枚目のオモテ」だけ多色印刷にすれば、
P3とP10だけカラフルなページになります。
12ページ中2ページくらいなら、がんばれそうな気がしてきませんか?
小説など文字の多い本で、挿絵ページのように使うといい感じになりそう。

ページ割で「???」となったときは、そのへんの紙を二つ折りして見本を作ってみましょう。

いかがでしょうか?
考えているうちに「小説本だけど、本文を蛍光ピンクで印刷しようかな?」とか
「モノクロのマンガだけど、このページのこのコマだけ2色印刷にしよう!」とか
いろんなアイデアが浮かんできませんか?
そのワクワクを、ぜひ形にしてみてくださいね!

レトロ印刷は、リソグラフ(デジタル孔版印刷機)での印刷を専門とする印刷所です。『印刷のタネ』ではレトロ印刷の入稿のコツや使い方を、『JAMLAB』ではリソグラフやシルクスクリーンを使った実験や遊び方を紹介しています。

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