端ブレって何?

枠のあるデザインを「ペラ紙・フチあり」で入稿した時、「端の部分が滲んだようになってしまいます」とJAMから連絡が来たことがある方、けっこういらっしゃるんじゃないでしょうか?

「紙の端にあるデザインや文字が、ブレて滲んだような仕上がりになります」
JAMではこれを「端ブレ」と呼んでいます。

JAMのフチあり印刷は、A3もしくはB4の用紙にいくつか並べて印刷します。「針あとって何?」の項目でも触れましたが、インクは粘度があるので、紙をインクドラムから剥がす際、紙の端に刷られた部分が排紙の衝撃でブレて、にじんだようになってしまうんです。

排紙口の方に起こりやすいのですが、反対側の端にも起こってしまうことも。濃度の高い部分や、より紙の端(角の付近)に近いと起こりやすくなります。たとえばA4フチあり仕上がりだと、A3に二つ並べて印刷するので、枠のデザインの角がこのように滲んでいます。

わかりやすいように太い枠を印刷しましたが、紙の端にあるデザインやオブジェクトは、枠に限らず滲んだり、ぶれたようになってしまうんです。線画の総柄や、デザインの下部に配置することの多い住所やロゴなどの文字情報でもにじんでしまうことがあります。

ではどうすれば避けられるの?というところですが、レトロ印刷の性質上、完全回避は難しいです。

でも、濃度を下げたり余白を多くとることで軽減はできます!!写真は100%の枠と、80%に下げたものの比較です。

う~ん、若干ましにはなりましたが、やっぱり紙端に近い部分はにじんでいますね。

フチの余白を5mmではなく10mmとったもの。だいぶマシになりました!

紙の端に配置するオブジェクトはなるべく濃度を下げる、なるべく余白を多くとる、というダブル処置が安心かもしれません。フチあり規格ではなく、トンボ断裁で作成するというのも一つの手ですね。

レトロ印刷は、リソグラフ(デジタル孔版印刷機)での印刷を専門とする印刷所です。『印刷のタネ』ではレトロ印刷の入稿のコツや使い方を、『JAMLAB』ではリソグラフやシルクスクリーンを使った実験や遊び方を紹介しています。

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