名刺やフライヤーに載せきれない情報やSNSのアカウントなど、スマホで読み取るだけでひとっとび。
とても便利なQRコードですが、レトロ印刷はQRコードが苦手です。
インクの特性上、用紙の色の影響を受けて色が馴染んでしまったり、視認性が良くない組み合わせによっては全然読み取れない、なんてこともあります。
せっかく印刷したのに、読み取れない!なんて悲しいことが起こらないように、今回はインクと紙の組み合わせで「これは読み取れない」基準がどの辺りなのかを実験してみました。
用紙とインクの組み合わせ 読み取れる?
今回試した用紙はホワイト、クラフト紙、レトロ紙-A、やわ紙-なすび、コニーラップ各色に厚紙 ねずみを加えた11種類。
インクは全34色(濃度はすべて100%)で15×15mmのQRコードを印刷。
読み取りにはiPhone SE(第2世代)のカメラを使用しています。
今回印刷できなかった用紙については、近しい色の用紙で想定してください。
①ホワイト
いちばん明るくてインクの色に影響を及ぼさないホワイトですが、はっきり印刷されているように見える「橙」や「蛍光ピンク」「蛍光オレンジ」などが意外と読み取れませんでした。
②クラフト紙
ホワイトで読み取れていた「金」は用紙の色に近いせいか読み取れず。
印刷でははっきり出ている「もも」「蛍光レッド」も読み取れませんでした。
③レトロ紙-A
明るい色の用紙のため、ホワイトと同じ結果になりました。
レトロ紙はとてもザラザラしていてかすれやすい用紙なので、読み取りに影響があるのでは?
と予想していましたが、今回はカスレやにじみによる影響はなく読み取ることができました。
④やわ紙-なすび
用紙の色に馴染んでしまうためか、「水」や「スカイ」が読み取れませんでした。
ただ、反対に今まで他の用紙で読み取りが出来ていなかった「白」と「シトロン」がはじめて読み取れる結果に。
※○のインクに比べると読み取りするのに時間がかかったため、△としています。
⑤コニーラップ-イエロー ⑥コニーラップ-グレー
コニーラップシリーズの中ではどちらも明るい色味の用紙ですが、黄色系、パステル系、蛍光系は全滅でした。
⑦コニーラップ-ブルー ⑧コニーラップ-エメラルド
用紙の色が結構濃いためか、用紙に馴染みがちな色のインクが読み取れない結果になりました。
⑨コニーラップ-レッド ⑩コニーラップ-ブラック
用紙の色がはっきりしすぎて、本来のインクの色がなかなか発色しにくいこの2種類。
半分近く読み取れないインクが多いなか、他の用紙では読み取れなかった「白」やパステル系のインクが読み取れました。
⑪ねずみ
黄色系、パステル系はぜんぜん読み取れませんでした。
蛍光色は蛍光レッドと蛍光ピンクは読み取れたものの、他の色は認識されず。
ねずみに蛍光色刷るのかわいいので残念です。
まとめ
・黄色系(黄・橙・黄緑)のインクは読み取りできない。
・パステル系(ミント・シトロン・アクア・コーラル)のインクは用紙との組み合わせで読み取れることがある。
ただし、読み取れないことのほうが多い。
・蛍光色(蛍光レッド・蛍光ピンク・蛍光オレンジ・蛍光グリーン・蛍光イエロー)は読み取りできない色が多い。
・高い濃度でハッキリ印刷されているように見えても、用紙との組み合わせによっては読み取れないことがある。
ハッキリ印刷されているのに意外と読み取れなかったり、そこは読み取れるの?!というような結果が多かった実験でした。読み取りについては、別のスマートフォンや別のアプリを使ったら読み取れた、というものもありました。ご使用のスマートフォンのカメラの性能や機種、アプリによっても異なりますので、参考程度ですがデータ作成時のヒントにしてみてください。リンク先のURLなどはQRコードと一緒に記載しておくのがオススメです!
※当記事はQRコードの読み取りを保証するものではございません。
QRコードの読み取りにはサイズ、画像形式の場合には解像度も影響しますので、あくまでも参考としてご覧ください。
レトロ印刷は、リソグラフ(デジタル孔版印刷機)での印刷を専門とする印刷所です。『印刷のタネ』ではレトロ印刷の入稿のコツや使い方を、『JAMLAB』ではリソグラフやシルクスクリーンを使った実験や遊び方を紹介しています。
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