
「電解マーキング印刷」はシルクスクリーンの版を使って金属に印刷をする手法です。
金属素材が電解液に触れることで金属の表面が化学反応を起こし、色が変わる印刷方法です〇説明だけ聞くとなんだか難しそうに思いますが、インクを使わずに電解液という専用の液体を使うので、意外と簡単に印刷できます◎
お店にある電解マーキング印刷機はステンレス専用なので、印刷する素材はステンレスを推奨しているのですが、実は金属であればどれでも反応します。
ということで、、、
今回の実験では、どの金属素材がどんな仕上がりになるかを見ていきます!
また、電解マーキング印刷機には黒く印刷する方法と白く印刷する方法
(エッチングのように素材の色をそのまま活かした方法)の2種類があります。
機械のスイッチを切り替えるだけで印刷方法を変えることができます。
この黒と白の印刷の仕上がりの違いも合わせて見ていきます〇
いろいろな金属一覧
※写真はあくまで参考程度でお願いします!

真鍮:アンティーク風?
【BLACK】:焦げ茶色で印刷ができました。線は均等な色の濃さですが、印刷面積の広いものは色むらができていました。刷り方も影響すると思いますが、線だとキレイそうです。
【WHITE】:こちらも少し色むらができています。白っぽくなっているところもあればキレイにエッチングのようになっているところもありました。

ブリキ:どちらも黒っぽくなる!
【BLACK】:濃い目のグレーで印刷できました。思っていたより黒に近いのでブリキ缶などに印刷したくなります。
【WHITE】:グレーで印刷できました。ところどころ白く印刷できているところもありますが、ブリキは黒で印刷するほうが良さそうです。

ステンレス:さすがステンレス!
【BLACK】:ステンレス用だけあって、ばしっと黒色が発色しています。
【WHITE】:白いところがあまりなく、エッチングのような仕上がりになります。目立たせたくないけど、さり気なく見せたい時に使えそうです。

アルミ:白色の印刷がオススメ!
【BLACK】:ぼやぼやです。使い方によってはカッコよくもなりそうですが、活用が難しそうです。
【WHITE】:ばしっと白くなりました!
注意:多くのアルミ素材は表面に塗装が施されています。電気が流れず反応しないことが多いです。持ち込み素材に印刷する際はお気を付けください。

B亜鉛引き鉄板:ぼやぼや
鉄板に亜鉛メッキを施してサビ防止加工にしたもの。
【BLACK】:うすいグレー印刷となりました。斜めから印刷面を見ると印刷面はキレイに見えますが、正面から見るとぼやぼやと滲んだ仕上がりになりました。【WHITE】:BLACKよりはキレイな仕上がりになりました。ただ印刷面積の広いところはまだら模様になっています。

銅:やわらかな仕上がり!
【BLACK】:うす茶色で印刷ができました。色が濃すぎず、薄すぎず、文字も読める程度でやわらかな印象です。
【WHITE】:印刷面積が大きいところは白っぽく、線は白っぽくなっているところもあればキレイにエッチングのようになっているところもありました。

鉄:渋い仕上がり!
【BLACK】:きれいに印刷できていますが、黒いというよりは渋いという印象を受けました。(ブリキより薄めです)
【WHITE】:ほんの少し印刷の周りに”もや”のようなものがかかっています。はっきりとした印刷には向かなさそうです。
まとめ
一番黒く印刷できたのは「ステンレス」 で、一番白く印刷できたのは「アルミ」でした。また、アンティークチックな仕上がりにしたい時は「真鍮」や「銅」がおすすめで、B亜鉛引き鉄板は全体的にぼやっとしたした仕上がりになったので、わざとぼやかしたい時には良さそうです。
今回の実験は一例なので、推奨しているステンレス以外の素材に印刷する場合は、一度実験してみてから本番に挑んでください◎(素材によっては不純物が入っていたり、表面にコーティングが施されていて同じように印刷できない場合があります。)
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