布に写真を印刷してみよう!
このJAMLABでも何度か紹介している写真をシルクスクリーンで印刷する方法。今回は布に写真を印刷する方法をご紹介!
布に印刷…!紙への印刷とくらべると、正直なところ難しいです!とりあえず、やってみましょう~。
製版データを用意しよう。
まずは印刷したい写真を用意します。
今回はこちらの写真を印刷してみようと思います。
シルクスクリーンは1色ずつ色を重ねていく印刷です。そのため、写真のようなフルカラーを再現するためには、シルクスクリーン用の製版データに変換する必要があります。ざっくり説明しますと、フルカラーをC(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)・K(ブラック)の4色に分解し、1色ずつ印刷していきます。色の重なりでフルカラーを表現するんです。
写真データをシルクスクリーン製版用データにするには、Photoshopなどのソフトで【4色分解】という処理が必要になります。詳しくはSURUTOCO(東京)のブログにて紹介しておりますので、そちらをチェックしてみてくださいね!
シルクスクリーン用4色分解データを作成しよう!
今回の製版データはこんな感じです。
Mサイズに2版ずつ面付をしています。なので、Mサイズ×2です!
印刷しやすいようにC版とK版は上下逆にしております。
そしてワンポイントアドバイス~!各版位置合わせ用にトリムマークをつけていますが、トリムマークと図案のあいだに余白をつくってあげるとあとあとの印刷がスムーズですよ!
版を組み立てよう。
版を組み立てる時、いつも以上の丁寧さが求められます。
写真は4版刷る位置がぴったりあってこそキレイな仕上がりになるので、
ここで雑に組み立てて、版が歪んでしまうと絶対に位置が合いません!
丁寧に丁寧にすすめていきますよ~(とはいえ、版は手で組み立てるのでどうしても多少のズレは起こります!)
ポイントは版をゴムで留める時、辺の真ん中から外側に向かってローラーを転がすこと!いきなり力いっぱい押し込むのではなく、徐々に力を入れていくこと!です。
印刷の前に準備をしよう。
印刷の前に布の下準備をします。布は紙と違い伸縮性があるので、伸びて動いてしまいます。1色刷ったあと、布がびょーんと動いてしまうと、もう絶対位置は合いません!それを防ぐために板や、厚紙に布を貼りつけましょう!スプレーのりを板にしっかりふって、布を貼りつけるように上から押さえます。まだまだ不安だ!という場合は端をマスキングテープで留めるとGOOD!
トートバッグなどもスプレーのりをふった板を中に入れてくださいね。そして、今回位置合わせ用につけているトリムマーク、これ、布に印刷したくないですよね…。なので、一度布の刷りたい位置の上に版を置いてみて、トリムマークが刷られるであろう位置にあらかじめマスキングテープを貼っておきます。こうすることでマスキングテープの上にトリムマークが印刷されます!※白いマスキングテープをおすすめします!
版データを用意するときに、図案とトリムマークの間に隙間を作ってください、とお伝えしたのはこのマスキングテープを貼りやすくするためですね!隙間がないと、図案までマスキングテープの上に印刷されちゃった!なんてことになりかねません。これで刷る前の準備はOK~!さっそく印刷しますよ!
いよいよ印刷!
今回はY→M→C→Kの順番で印刷していきます。
まずは、Y(イエロー)の版から印刷しますよ!イエローはSURIMACCAインク【イエロー】を使用します。
今回はMサイズに2版、面付しているので使用しないもう一版からインクが落ちてしまわないようにマスキングテープで近いところをふさぎます。先ほどマスキングテープを貼ったところにトリムマークがくるようにしっかり位置を確認してくださいね。
はい、こんな感じ!黄色のトリムマークがしっかり見えているので、2版目以降はこのトリムマークで位置を合わせていきますよ!1版刷り終わるごとにしっかり乾燥させてくださいね。
2色目M(マゼンタ)版を印刷します!
こちらはSURIMACCAインク【ネオンピンク】を使用します。
良い感じです、順調です!
お次は3色目C(シアン)版。こちらはSURIMACCAインク【ブルー】を使用!
C版を刷ると一気に全貌が見えてきますよね~。いよいよラスト、K(ブラック)版です。こちらはもちろんSURIMACCAインク(ブラック)でいきますよ~。
はい!完成です!K版を印刷するとメリハリが出ますよね。
無事布にも写真を印刷することができました~!最後にトリムマーク用に貼っていたマスキングテープをはがしてくださいね。しっかり乾燥させるとインクがすこし落ち着いて、よりフルカラーに近い色味になります。
ちょっとおまけ
ちなみに、おまけに黒い生地にも印刷しておりました。黒い生地に印刷するとこんな感じです。
SURIMACCAインクは水性のため、黒や紺など濃い色の生地に印刷すると、下の生地の色が透けてしまうので発色が沈んでしまいます。なので、一番最初に白インクでベタを印刷してしまいましょう!綺麗な発色で印刷することができますよ◎
最終的な仕上がりはこんな感じです。白い布・生成色のトートバッグ・黒い布に印刷してみました。生成色の生地に印刷するとやはり白い布よりは色が沈みますね。でもよりレトロ感がまして可愛いような気がします!
元の写真とくらべてみるといかがでしょうか。
今回はCMYKそれぞれの版を、C→ブルー、M→ネオンピンク、Y→イエロー、K→ブラック でやりましたが、選ぶインクの色でも仕上りの印象は違います。
今回の元写真は空の青が淡い青なので、C→ブルーではなく、アクアを使うともっと元写真に近い仕上がりになったような気もします。
写真製版とインクの組み合わせは以前JAMLABでも実験しているので、そちらもぜひチェックしてみてくださいね!お気に入りのインクの組み合わせを見つけるのも楽しそうです。
SURIMACCAは、シルクスクリーンの製版サービスやオリジナルキットの開発のほか、シルクスクリーンの作業場を全国に拡げるプロジェクトを行っています。『JAMLAB』ではリソグラフやシルクスクリーンを使った実験や遊び方を紹介しています。
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