白インクをじょうずに刷りたい!

お店にいると、よく聞かれる「白のインクって、どうやったらもっと濃くなりますか?」と、いう質問。確かに難しいですよね。私も納得いかないことが多いです。SURIMACCAインク KOTTERIホワイトというぐらいなので、他のSURIMACCAインクに比べると粘度も高くハッキリ刷れるはず。なのに、薄く感じちゃうのはなぜなんでしょう。もしかして普通の刷り方じゃダメ?

まずはインクに合った版を用意しましょう

KOTTERIホワイトは、濃い色の生地にもしっかり発色するように他のインクに比べて粘度がとても高くなっています。おすすめは120メッシュに比べて目の粗い70メッシュの版。ただ、通常の70メッシュで刷るとこんな仕上りになります。
薄いですね。版のインクもしっかり落ちていないので、メッシュにインクが残っています。

そこでおすすめなのが、70メッシュ(クリーナーあり)版です。70メッシュで製版後にクリーナーで版を洗浄し、インクを通りやすくした状態になっているので、よりインクがしっかり生地にのって、ハッキリとした発色が期待できます。

実際に刷ってみましょう

なにも気にせず、いつも通り刷ってみた仕上りがこちら。先ほどよりは濃くなりましたが、まだムラが気になりますね。版は問題ないはず…では刷り方の問題?よく見てみるとなんだかインクの表面をこそげてしまっているようです。

スキージーの角度を変えてみる

基本の刷り方はスキージーの角度を45°で刷りますが、今回は30°ぐらい(気持ちは15°ぐらい)で刷ってみます。これはスキージーの角でインクの表面をこそげてしまうので、すこーしスキージーをねかせて力がかかりすぎるのを防ぐ目的です。

お!通常の刷り方に比べると少しはっきりしてきましたね。でももうちょっと濃くなってほしいな~

さらにインクを足して刷ってみる

刷り方やインクののり方を観察していると、やはりインクの表面をこそげて生地の色が出てきているのが薄く見えてしまうことに気が付きました。ということは、ここを埋められればもっと白くキレイに仕上がる!はず。

少しスキージーをねかせて刷ったあと、版は動かさずそのままにしてインクをさらに追加。そして、スキージーはやはりねかせて、刷る圧を少しだけ弱めてみました。言葉で説明するのは難しいのですが、イメージとしては追加したインクを一度刷った印刷の上にかぶせるような感じです。

これは…!ちゃんと白い!求めていたハッキリとした発色です。やはり、スキージーの角度と圧が大事。ということがわかりました。

まとめ

SURIMACCAインク KOTTERIホワイトの印刷が薄く感じるときは

① インクはたっぷりのせる
② スキージーは30度(気持ちは15度ぐらい)
③ 一度刷ったら版はそのまま動かさず、さらにインクをたっぷりのせる
④ スキージーは30度でいつもよりやさしく刷る(インクを上からかぶせるようなイメージで)
⑤ 刷り終えたらゆっくり版をはがす

※やさしく刷るのを気にしすぎて版が刷る素材に触れないぐらいのやさしさで刷ると、インクが素材に届かずちゃんと刷れないので、どのぐらいの力加減が適切かは何度か練習してみてください。まだまだ研究中なので、ほかにもこんな刷り方があるよ!とかシルクスクリーンのこんなことで悩んでる!などありましたら
お気軽にお知らせくださいませ~

今回実験で使ったもの

SURIMACCAインク(KOTTERI)
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SURIMACCAは、シルクスクリーンの製版サービスやオリジナルキットの開発のほか、シルクスクリーンの作業場を全国に拡げるプロジェクトを行っています。『JAMLAB』ではリソグラフやシルクスクリーンを使った実験や遊び方を紹介しています。

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