レトロ印刷の製本価格は仕様により大きく異なります。
ページ数や冊数で変動するのはもちろん、サイズや紙の種類、色数、表紙の仕様によっても料金が変わるため、ホームページ上に掲載しようとすると膨大な量になってしまいます。そのため、正確な料金が知りたい場合は、お見積もりフォームよりお問い合わせいただく必要があります。
(自動化できれば良いのですが難しく、社内でも手計算で算出しています…)

とはいえ、物を作るのに予算は付き物。
「ちょっと予算オーバーだな…」となった方のために、ポイントをまとめてみました。

本記事に記載の価格は、改定前の価格です。
2023年4月11日受付分より価格改定実施のため、現在は価格が異なります。

基準となる仕様

製本方法中綴じミシン製本(のり無し)
サイズMサイズ受付(B6やA6サイズなど)
ページ数表紙+本文5枚(20P)
表紙クーヘン 2/0
本文スクレ 2/2
冊数100冊
料金¥24,535-(@¥245)

製本でよくご注文いただく仕様をピックアップしてみました。
前述の通り、全ての価格を掲載するのは難しいため、今回はこちらの仕様を基準に、どの仕様を変更したらどう料金が変わるのかを比較していきます。

もくじ
1.本文枚数
2.サイズ
3.冊数
4.紙の種類
5.色数
6.製本種類
7.表紙の仕様

1.本文枚数

中綴じミシン製本(のり無し)・Mサイズ・表紙クーヘン2/0・本文スクレ2/2・100冊

本文枚数製本代表紙代本文代合計単価
1枚(4P)5,6983,8502,83912,387@124
2枚(8P)5,8963,8505,67815,424@154
3枚(12P)6,0943,8508,51718,461@185
4枚(16P)6,2923,85011,35621,498@215
5枚(20P)6,4903,85014,19524,535@245
6枚(24P)6,6883,85017,03427,572@276
7枚(28P)6,8863,85019,87330,609@306
8枚(32P)7,0843,85022,71233,646@336
9枚(36P)7,2823,85025,55136,683@367
10枚(40P)7,4803,85028,39039,720@397
11枚(44P)7,6783,85031,22942,757@428
12枚(48P)7,8763,85034,06845,794@458
13枚(52P)8,0743,85036,90748,831@488
14枚(56P)8,2723,85039,74651,868@519
15枚(60P)8,4703,85042,58554,905@549

本文枚数(ページ数)が多いほど、高くなります。
本文の印刷料金による影響が大きいため、サイズや用紙・色数・冊数が違えば変わってきます。こちらはあくまで「Mサイズ スクレ 2/2 100冊」の場合の参考にご確認ください。

2.サイズ

中綴じミシン製本(のり無し)・表紙クーヘン2/0・本文スクレ2/2(5枚)・100冊

サイズ製本代表紙代本文代合計単価
6,1052,68413,10521,894@219
6,4903,85014,19524,535@245
6,9306,76520,91534,610@346

中綴じの製本サイズは「Sサイズ」「Mサイズ」「Lサイズ」があります。
受付サイズが大きいほど、使用する紙が多くなりますので料金も高くなります。

(補足)
レトロ印刷で印刷できる最大用紙サイズはA3。製本の場合は、A3サイズの用紙に印刷をして綴じて切り出していますので、A3サイズ1枚から「Sサイズ=4冊分」「Mサイズ=2冊分」「Lサイズ=1冊分」できあがる、というサイズ分けです。

受付サイズ内であれば、定形でも変形でも料金は変わりません。
例えば、B5(257×182mm)、A5(210×148mm)、正方形(200×200mm)仕上げの場合はいずれもLサイズ受付のため、同じ仕様であれば料金は同額です。

よくあるご注文サイズにA5(210×148mm)仕上げがあります。
A5仕上げはLサイズですが、一回り小さい190×138mm仕上げの場合は、Mサイズ受付に該当します。予算優先の場合は、サイズの変更をご検討ください。

3.冊数

中綴じミシン製本(のり無し)・Mサイズ・表紙クーヘン2/0・本文スクレ2/2(5枚)

冊数製本代表紙代本文代合計単価
10冊3,6301,86512,01517,510@1,751
20冊3,7401,86512,01517,620@881
30冊3,8502,21712,56018,627@621
40冊3,9602,21712,56018,737@468
50冊4,0702,68713,10519,859@397
100冊6,4903,85014,19524,535@245
200冊11,3306,76520,91539,010@195
300冊16,1709,68027,59053,440@178
500冊25,85015,51040,80582,165@164
1000冊50,05030,08573,015153,150@153

最小10冊からご注文いただけますが、正直なところ、50冊未満は印刷枚数や製本作業量があまり変わらないため、大きな差がでません。
以前、製本の最小ロットは50冊でしたが、小ロットでのご要望をいただいたため、10冊に引き下げを行いました。小ロットの価格帯で冊数に悩まれている方は、もう10冊多めのご注文でも良いかもしれません。

経済ロットは印刷の経済ロットに準じます。ペラ紙・中厚紙の場合はA3で50枚が経済ロットですので、Sサイズが200冊、Mサイズが100冊、Lサイズが50冊となります。
手作業の工程が多いため、冊数が多くなっても格段に単価が安くなるわけではありませんが、ひとつの目安にしてみてください。

4.紙の種類

紙のことや、ホームページの価格表タブ「紙を変更する」では、下に行くほど紙の単価が高いものになります。印刷工程上必ず発生するロス分や作業工程(多色など)に伴う加算の計算、サイズの兼ね合いもあり一概にどれぐらい違う、とは言えないのですが、「ホワイト」と「わら半紙」は同じ価格帯の用紙ですので、どちらを選んでも料金は一緒です。

表紙の紙

中綴じミシン製本(のり無し)・Mサイズ・表紙2/0・本文スクレ2/2(5枚)・100冊

表紙の紙製本代表紙代本文代合計単価
しろの価格帯6,4903,65814,19524,343@243
クーヘンの価格帯6,4903,85014,19524,535@245
しらすの価格帯6,4904,12514,19524,810@248
まっくろの価格帯6,4904,29014,19524,975@250
スクレの価格帯6,6881,86314,19522,746@227
おりひめの価格帯6,6882,52314,19523,406@234
里紙の価格帯6,6882,74314,19523,626@236

まずは、表紙の紙を替えた場合。1冊あたりに使用する表紙は1枚なので、大部数ではない限り、大きな差は出ません。
中厚紙を表紙に使用する場合、本文は5枚(20P)以上必要ですのでご注意ください。

※5枚未満の場合はミシンで真っ直ぐ縫えず曲がったり、 断裁時に歪んでしまうリスクがあります。
※ホッチキス製本の場合は、全てペラ紙でも綴じることが可能です。

本文の紙

中綴じミシン製本(のり無し)・Mサイズ・表紙クーヘン2/0・本文2/2(5枚)・100冊

本文の紙製本代表紙代本文代合計単価
わら半紙の価格帯6,4903,85011,91022,250@223
クラフトの価格帯6,4903,85012,51522,855@229
レトロ紙の価格帯6,4903,85012,95523,295@233
スクレの価格帯6,4903,85014,19524,535@245
コニーラップの価格帯6,4903,85014,74525,085@251
おりひめの価格帯6,4903,85017,49527,835@278
里紙の価格帯6,4903,85018,59528,935@289

特に「おりひめ・デュプレN・PELP」「里紙・トーンF」はファンシーペーパー(特殊紙=高級紙)に分類されるため、価格帯がグッと上がります。色や手触りなど魅力的な紙たちですが価格もプレミアムですので、メイン(本文)よりは遊び紙に1枚、などの使い方がおすすめです。
サイズが大きく、冊数、本文枚数が多いほど差が顕著になります。

ちなみに、本文は1枚ずつ違う紙に替えることも可能です。本文1枚あたりの印刷料金が決まっているので、紙替え料というよりは、使用する紙の価格帯により料金が決まります。
例えば、「スクレ3枚・カーネル2枚」という本文仕様の場合、スクレとカーネルの価格帯は一緒ですので、全てスクレで製本した場合と、スクレとカーネルを使用した場合とで料金は変わりません。

5.色数

表紙の色数

中綴じミシン製本(のり無し)・Mサイズ・表紙クーヘン・本文スクレ2/2(5枚)・100冊

表紙の色数製本代表紙代本文代合計単価
1/06,4903,46514,19524,150@242
2/06,4903,85014,19524,535@245
1/16,4904,54314,19525,228@252
3/0・2/16,4904,92814,19525,613@256
4/0・2/26,4905,31314,19525,998@260

一度に印刷できるインクは片面2色まで。色数が多い=使用インクが増え、機械に通す回数も増えるとその分料金も高くなります。金インクのみ、特別料金となりますので使用する際はご注意ください(金インク以外は全て同価格です)

本文の色数

中綴じミシン製本(のり無し)・Mサイズ・表紙クーヘン2/0・本文スクレ(5枚)・100冊

本文の色数製本代表紙代本文代合計単価
1/16,4903,85011,35021,690@217
2/26,4903,85014,19524,535@245
3/36,4903,85021,11031,450@315
4/46,4903,85023,95534,295@343

表紙同様、色数が多いほど高くなります。

インクの種類は本文1枚ごとに替えることも可能ですし、色数が変わっても構いません。
例えば、ノンブルだけのページはノンブルをなくして無地にすればその分印刷費が抑えられます。逆に1ページだけ超多色、という使い方もOKです。
金インクの代わりに黄土を使ってみたり、混色をうまく利用して色数を減らすのもおすすめです。

6.製本種類

B6仕上げ想定・表紙クーヘン2/0・本文スクレ2/2(5枚)・100冊

製本種類製本代表紙代本文代合計単価
中綴じホッチキス5,3903,85014,19523,435@234
中綴じミシン(のり無し)6,4903,85014,19524,535@245
中綴じミシン(のり有り)7,0403,85014,19525,085@251
平綴じミシン7,4805,36826,21039,058@391
無線7,1503,85026,21037,210@372

中綴じは「1枚=4ページ」、平綴じ・無線綴じは「1枚=2ページ」
本文1枚あたりで取れる紙のページ数が異なるため、平綴じ・無線綴じは中綴じの場合と比較し、印刷料金が多くかかってしまいます。
(より正確に言うと本文枚数も増えるため、丁合代=製本代も上がります)

そのため一概に比較するのは難しいのですが、中綴じだけの場合は、ホッチキス製本が一番安く、ミシン(のり有り)が一番高くなります。

7.表紙の仕様

中綴じミシン製本(のり無し)・Mサイズ・表紙クーヘン2/0・本文スクレ2/2(5枚)・100冊

表紙の仕様加算単価加算料金合計単価
トレペorツヤプリA@0024,535@245
ツヤプリB@330024,835@248
ツヤプリC@660025,135@251
ツヤプリD@171,70026,235@262
ツヤプリE@555,50030,035@300
マットPP 片面@444,40028,935@289
マットPP 両面@666,60031,135@311

表紙はインク落ちを防ぐため、「トレーシングペーパー」「ツヤプリ」「PP加工」から選択する必要があります。
「ツヤプリ」は面積によって料金が変わりますが、一番小さいAパターンの場合は、「トレーシングペーパー」仕上げと同じく、追加の料金は発生しません。ツヤプリがBパターン以上の場合と「PP加工」仕上げの場合は追加の料金が発生しますのでご注意ください。
サイズ別の価格は、ホームページの表紙の仕様ごとの料金でご確認いただけます。

さいごに

製本方法やページ数・冊数などは大体決まっていることが多いと思いますので、まずは用紙や色数、可能であればサイズをご検討いただくのがよいかと思います。
特殊な料金算出のため、分かりにくいところがあり大変申し訳ないですが、不明な点や相談があれば、お気軽にお問い合わせください。
ハッピー製本ライフ!

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