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レトロ印刷で使用するリソグラフは半水性のインクを使用しているので、
インク同士が重なると色が混ざって(混色と言います)レトロ印刷ならではの面白い表現をすることができます。
使うインクや刷る順番によって発色も変わるのが、難しくもあり、魅力でもあり。
(詳しくは【タネ】「混色」って、なんだ? 参照)
そんなちょっとクセのある個性的なインクたちですが、
実は他のインクとなかなか混ざってくれない、頑固者のインクがひとつあります。
それが、「金インク」!!
レトロ印刷の「金インク」とは
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レトロ印刷に金インクがあることをご存知ですか?
ちょっとゴージャスで特別感のある金インク。
唯一使用の際に追加料金が必要な、特別なときに使いたいリッチなインクです。
金箔印刷との違いは?
金色の印刷というと、箔押し印刷をイメージされる方が多いかもしれません。
JAMが扱っているシルクスクリーン製版サービスでも、特殊プリントのツールとしてご用意しています。(詳しい商品についてはコチラ)
レトロ印刷の金インクと、シルクスクリーンの金箔印刷を刷り比べてみると…
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金インクの発色は、箔押しのようなピッカピカの眩しい金ではなく
レトロ印刷がご用意しているマットな用紙たちにとっても似合う、
やさしくお上品な輝きがキレイな金色です。
金インクは混色しにくい(透過性が低い)
この金インク、他のインクと比べてかなり透過性の低い発色をします。
つまり、他のインクと重なったとき、ほとんど混色してくれません。
重なった他のインクを隠してしまうんです。
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混色しない特性を活かす
混色を気にしなくていいので、例えばベタデザインの上に金の文字を重ねても
もう1色に邪魔されずクリアーに読むことができます。
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インクの発色は他のインクとの混色だけでなく、紙の色にも影響を受けますが
金インクは黒など濃い色の用紙に刷っても、クッキリ鮮やかに発色します。
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混色しない特性の注意点
では逆に、金インクのベタの上に文字を乗せてみると…
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黒版を上に乗せてみましたが、金インクの方が強く発色してしまい、
文字が読みにくくなってしまいました。
一番強く発色しそうな黒インクですら隠してしまうので、
他のインクはもっと見えなくなってしまいます。
どうしても金インク版の上に他のインクを重ねたい…!
そんなときはどうすれば?
【方法 その1】抜き合わせにする
色同士が重なると隠してしまうので、重ならないように
金版を白抜きにするという方法です。
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抜き合わせで注意したいのは、印刷にズレが生じるため
2色の版の位置がピッタリ合いません。
細い文字や線だと、ずれて結局重なって見えなくなってしまう可能性があるので、
細かいデザインの場合はとくに注意が必要です。
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【方法 その2】金版を白抜きにして、ベタを重ねる
ピッタリ文字を抜き合わせにするとズレるので、重なる部分を広くしてみました。
まず1つめは、大きなベタを重ねてしまう方法です。
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混色しにくいポイントを活かして、いっそのこと
2色をベッタリ重ねてしまうという方法です。
よく見ると重なっていない部分との境い目がわかりますが、地図のプロットなど小さなデザインとして使う場合はズレが目立たずオススメです。
もう1つが、抜き合わせがずれてもいいように、文字を太らせておく方法です。
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よく見ると多少透けて見えますが、これならズレを気にせず仕上がります。
ズレはランダムに最大2~3mmほど起こる可能性があるため、
3mm分ほど太らせておくと安心です。
ただし、黄インクのように明るいインクには向いていますが、
黒インクなど濃いインクは透けが目立つ場合があるため、注意してください。
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【方法 その3】金版を少し薄くする
混色してくれない金インクですが、濃度を薄くすると
さすがに他のインクが見えるようになってきます。
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80%くらいまで下げても、そこまで薄い印象にはならないので、
どうしても重ねたい場合は少し薄くして刷るのも方法の一つです。
(ただし濃度を下げすぎると金インクのキラキラ感も薄まってしまうので注意)
金インクの追加料金の見方
金インクはちょっと特別なインクなので、使用する際は追加料金が必要です。
追加料金は各規格ページの価格表の左上にある「金インクなし / あり」の
チェックを「あり」にすると、下に追加料金が表示されます。
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金インクはツヤプリが不可だったり、色移りが特に激しかったりと、
他にも特徴がいろいろあります。
使う前に必ず「金インクのこと」をチェックしてくださいね。
他のインクと違っていろいろな特徴がありますが、
使ってみるとキラキラ特別感がUPする、とってもゴージャスな「金インク」!
バレンタイングッズや春のグリーティングカードなど、
ちょっと特別なデザインにぜひ使ってみてくださいね~!
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レトロ印刷は、リソグラフ(デジタル孔版印刷機)での印刷を専門とする印刷所です。『印刷のタネ』ではレトロ印刷の入稿のコツや使い方を、『JAMLAB』ではリソグラフやシルクスクリーンを使った実験や遊び方を紹介しています。
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