フロックを1色だけではなく、何色も使って並べてプレスするとどうなるのか?と疑問に思い、実験してみることにしました!

フロックとは、ベロア素材のような起毛のシートです。
ホットバインダーという接着剤インクを刷ってからフロックシートを貼ってアイロンをすると、ふわふわとした触り心地のよい印刷ができあがります。
※ホットバインダーの詳細はこちらをご覧ください。

1.原稿を作る(製版する)

120mm × 120mm 正方形
紙原稿(配置)

原稿をつくる際に出来上がりのイメージもしておくとスムーズにこなせると思います!
フロックシートでは先ほど紹介したホットバインダーを使用するので、通常のシルクスクリーンのように原稿を色ごとに分けなくても大丈夫です。
※各色重ならないようにご注意ください。

フロックを四角の枠の中に納まるように切っていくので120mm×120mmのベタ塗りの正方形データで作ってみました。

2.版をセットする

刷る際に、バッグの中に厚紙などの台紙や板を入れると布がずれにくくなり刷りやすくなります。(位置を固定したいときに使うスプレーのりを使うとさらにズレにくさUP!)
版をセットするときは、持ち手を避けると段にならないので刷りやすいです。

中に板や台紙を入れる
持ち手を避ける
セット完了!

3.ホットバインダーを刷る

通常のSURIMACCAインクですと120メッシュでいいのですが、ホットバインダーを使用する際には70メッシュ・クリーナ―ありの版をご使用ください。120メッシュだと網目がつまってしまいます…
(その他にも、ラメ・ホワイト・モケモケ・もこもこのインクを使うときには70メッシュを使用します。)

ホットバインダー
たっぷりのせます
2回刷りました!

そしてとても重要なのですが、ここでホットバインダーをしっかり刷れていないとフロックがしっかりと定着しません。透明で見えにくいので気をつけてくださいね!

◎ポイント1◎
しっかり2回刷る!

少しホットバインダーのムラができてしまいました。うまく均等にのってくれるのでしょうか…?

◎ポイント2◎
刷り終えたらしっかり乾燥させる!
ドライヤー(冷風)をすると早く乾きます!

4.フロックシートをカット

今回はバラバラのフロックシートが繋がって1つの絵に見えるようにするため、密着させて一気に配置してみたいと思います!

配置していきます
完成イメージ

ホワイトのフロックが少し見えにくいのと、まっすぐ切れてないところに隙間ができてしまいました。笑
フロックシートは図案より少し大きめにカットして、シートのふわふわ面を刷り面にあてて、上にあて布やクッキングシートを重ねて、ズレないようにそっとアイロンをあてていきます。

5.アイロンをあてる

◎ポイント◎
アイロンは圧をかけながら150℃、約20秒で大丈夫です。
圧が弱すぎるとフロックがしっかり付かないので、しっかり圧をかけましょう。

アイロン温度をセット
クッキングシートを被せて
くっつきました!

アイロンをあてるときに中心のところが段になっていて、均等に圧をかけるのが難しかったです。

6.熱が冷めてから、フロックシートをはがす

アイロンのあとはフロックをはがす作業です。(完成まであとちょっと!)
ここで重要なポイントなのですが、アイロン後はすぐにフロックシートをはがさないようにしてください!
最初に刷ったホットバインダーがしっかり冷めるまで待ちましょう…!
すぐにはがしてしまうとフロックがきれいに残らないので要注意です。

ゆっくり
ゆっくり
ゆっくり
はがします

【フロックシート注意点】
摩擦に弱いため、強くこすったりしないようにしましょう!
洗濯の際は優しく手洗いで洗ってもらうか、洗濯機を使用する場合は裏返して洗濯ネットに入れて洗濯してください。(印刷面が直接こすれないようご注意ください。)

7.完成!!

触るとふわふわとした触り心地があるのですが、
遠くで見ると白いフロックは見えなくなってしまいました。
白いフロックはブラックやネイビーなど、生地色が濃いものに刷ると発色がいいかもしれないですね。

おまけ

持ち手部分にも

ホワイトのフロックが見えにくかったのでフロック部分にTaiwan×クリアインクを刷ってみました!笑なんとなくホワイトのフロックの存在感がでたような…?
(ついでに持ち手部分にも刷ってみました)


まとめ

・メッシュ数は70、クリーナーありがおすすめ!
・ホットバインダーの刷りが均等になるように、同じ強さで2回刷る
・アイロンは動かさずにプレスする感じでかけたほうがきれいに貼れる
・ホワイトのフロックは生地の色を選べばきれいな発色になる(なるべく黒い生地)

今回使ったもの

ホットバインダー
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フロックシート
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スリマッカセット
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SURIMACCAは、シルクスクリーンの製版サービスやオリジナルキットの開発のほか、シルクスクリーンの作業場を全国に拡げるプロジェクトを行っています。『JAMLAB』ではリソグラフやシルクスクリーンを使った実験や遊び方を紹介しています。

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