SURIMACCAにはピンク色の「浮かしパーツ」なるものがございます。
こちらはその名の通り、コーナーパーツに取り付けて印刷したい素材と、版の間に3mmほどの隙間を作りフレームを浮かせてくれる便利グッズとなっております。
インクを版に乗せ、スキージーを押し当てている時は版が印刷したいものに接地し、
刷り終わりスキージーを上げるとまた版が離れるという具合がキレイに刷るためには重要となってきます。
(※分かりやすく図解したものであり、実物のSURIMACCAパーツの寸法とは異なります)
しかし、SURIMACCAフレームに浮かしパーツを取り付けるだけですべての物が刷りやすくなる・・・というわけでもございません。
今回は様々なパターンで、ベストな「浮かし」を作る方法をご紹介していきたいと思います。
浮かしパーツのみ
浮かしパーツのみで一番刷りやすくなるものは、
「生地が平らでフレームよりも大きな素材」です。
ただ単に素材がフレームより大きければいいというよりは、
印刷の際、素材の下あたる台や、袋状の場合中に敷く厚紙やパネル等の板に
四隅の浮かしパーツが乗れば、素材と版の間に浮かしを作ってくれます。
厚紙や板の併用
浮かしパーツのみでは高さが作りにくいものは、
・フレームよりも小さな素材
・刷りたい箇所によってフレームの角(浮かしパーツ)が素材からはみ出てしまう場合
・縫い目やボタン、ファスナー、ポケットにより部分的に下敷きを厚くした場合
などが挙げられます。
こういったパターンでは、浮かしパーツの下にさらに厚紙や板を敷いて高さを作る必要があります。
素材の厚さによっては浮かしパーツを取り外し厚めの板を敷く方が適度な高さを作れることも。
このを作業をサボると、例えばあまりにも浮かせすぎた場合はインクが多めに落ち滲み潰れたような仕上がりとなったり、
逆に浮かしを作らず、版と素材がぴったりくっついた状態で印刷し、
版を持ち上げたときにインクが擦れたような仕上がりとなる可能性があります。(個人差あり)
フレームより小さな素材
こちらはフレームよりも小さな素材の上にそのまま浮かしパーツのみでセットした場合。
このように浮かしパーツがどこにも乗らず、版が素材にべったりくっついてしまっている状態です。
しかし厚紙や板などを使い、四隅に素材と同じくらいの高さをつくってあげると・・・
版と素材の間に適度な隙間が生まれました。
これで安心して印刷ができますね。
取っ手やマチ、縫い目、ボタン、ファスナーなど凹凸差のある素材
また、こちらの写真のように素材の取っ手や縫い目やボタン、ファスナーなどにより印字したい面との凹凸差があるものには下敷きを2枚入れるなどして、なるべく素材の平坦を保ちましょう。
マチ付きのバッグなども印刷の際注意が必要です。
たとえばJAMのおみせやWEBSHOPでは「ランチバッグ」に合わせて、印刷しやすいように「ランチバッグパネル」もご用意しています。
大きさの異なる2枚の板をあわせることにより凹凸を解消し印字面の平坦を保つ便利グッズとなっておりますので是非ご活用ください。
部分的にフレームがはみ出る素材
そして部分的に素材の印字面からフレームが外れてしまう場合も同様に厚紙や板を活用しましょう。
中に入れてる下敷きは1枚でも素材自体が分厚いので、浮かしパーツの下に敷く板は2枚、など素材によって臨機応変に高さを作りましょう。
一部だけ下敷きで盛り上がってる素材(ポケットTシャツ)
ポケットTシャツにはこちらの「チップボール」の厚紙からポケットのカタチを切り出し下敷きにします。
浮かしパーツのみでフレームを置くと、やはりポケット部分だけ盛り上がっているため、版が印字面にベタ付きしてしまいます。
浮かしパーツ+板だと浮き過ぎたので、浮かしパーツを外し板のみでフレームをセットすると程よい高さができました。
浮かし過ぎると印刷の際インクが落ちすぎる可能性があるため、そちらも注意が必要です。
SURIMACCAホルダーを使う場合
一人でもシルクスクリーンの作業がしやすいよう、
JAMではフレームを机に固定する道具「SURIMACCAホルダー」をご用意しています。
こちらは万力のように机にホルダー下部をかませ、
上部にはフレームを固定し上げ下げができる仕組みとなっています。
ホルダーを使用すると机とフレームの間に大きな隙間ができてしまいますが、
少し分厚めの板「ホルダーパネル」を敷くと丁度良い高さになります。
こちらも上記同様、厚みのある素材や下敷きにより高さができてしまう素材に関しては、
パネルを使わず浮かしパーツの下にだけ高さを作る方が有効です。
まとめ
どのような場合であっても、どのような素材であっても
厚紙や板などを駆使して浮かしをつくることが綺麗に印刷するためには重要となります。
刷る前の準備を念入りに、リスクを回避した上で皆様SURIMACCAをお楽しみくださいませ。
今回の実験で使ったもの
浮かしパーツ
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ランチバッグパネル
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チップボール(A3)
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SURIMACCAホルダー
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ホルダーパネル
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SURIMACCAは、シルクスクリーンの製版サービスやオリジナルキットの開発のほか、シルクスクリーンの作業場を全国に拡げるプロジェクトを行っています。『JAMLAB』ではリソグラフやシルクスクリーンを使った実験や遊び方を紹介しています。
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