毎週1回、Twitterでクイズ「#JAMからの挑戦状」を行っています!
暇つぶしや運試しなど、クイズを通じてレトロ印刷を楽しんでいただければと思い始めてみました。気になる方は、ぜひ参加してみてくださいね!

8月は「白インク」ばかり!!
問題すべてに白インクが関わっているのを察して答えた方もいたのでは?

データチェックの時に「白インクの発色」について何度か聞かれた方は少なくないはず。
紙地の色が濃いものはまだ白インクの発色を感じることが出来ますが、
「灰色の紙」や「白い紙」など紙によっては注意が必要です!!!

HPでの「白インクのこと」も併せて見てみて下さいね。

白インクはペンキのような発色をしない!

色のある紙「コニーラップブルー」「トーンF」での混色クイズを出題!

白の発色は100%の箇所を見てもハッキリ、くっきりではなく「ひかえめな」発色をします。これはインク自体の性質が半水性(エマルジョン)の為、インク同士でも紙によっても発色に影響を受けます。
白インクを下地にひいて発色を見せるといった方法でも、下地の白インクと混色をするので少し和らいだ発色での仕上がりになります。

また特に注意が必要なのは文字や細かなデザイン、濃度が薄い箇所。
「視認性」「可読性」が落ちる可能性が高いインクなので紙によっては、ほぼ見えなくなる可能性もあります。

POINT
・「紙地の色」や「重なるインク」を含めて、混色をイメージすると◎
・白インクでの文字情報や細かなデザインは要注意!

白インクの重なり順によって仕上がりが違う!

混色する仕上がりの場合は、白インクを「上」にするか「下」にするかでこんなにも仕上がりが異なります。
【白版(金魚:K100)・青版(金魚鉢:K80%)】

紙:富士わら紙(中厚紙)

濃度100%でも白インクが下になると、思いのほか薄っすらな仕上がりに。
白インクが上になると、金魚は見えてきますが真っ白な発色ではなく混色するため、下になるインクに影響を受けます。

白版・青版の作り方により見え方も様々です。
左から「白版の濃度を下げる」と、混色のムラを軽減でき濃度100%に比べると綺麗に仕上がります。
中2種「抜き部分に白版」「青版をヌキへ」は白系の紙では発色をあまり感じないため、色数を減らすことも検討できますよ◎
右の「青版の濃度を下げる」と………なんと、ほぼ見えません。

紙:コニーラップ ブルー

白系の紙では白インクを感じることができませんでしたが、紙地の色が濃い目のものであればこんなに見えてきますよ◎
意外な紙も検討してみてくださいね

POINT
2色でも「重ね順」「版の作り方」により見え方が異なるので「どんな風に魅せたいか」のイメージをしっかり持ちましょう◎

こんな方法もあったのか!?おもしろい使い方をご紹介

紙「ねずみに「白インク×透明ツヤプリ」のタッグ!

以前、お客様の作品でお見かけした仕様ですが、使い方が上手なのでご紹介!

ベタ部分にヌキ(白抜き)を作ることで、それぞれの「ヌキの部分に色が入ったような」仕上がりになります。

版分けデータと斜めから見た仕上がりをみるとこんな感じ↓↓↓

広範囲のベタにそれぞれヌキを作るため印刷ズレは目立たない仕上がりになりますが、ベタ部分や版を増やすことにより印刷ズレをあえて演出することもできそうです!

透明インクはちょっとした模様や、レトロ印刷では「透明ツヤプリカバー」(オフセットで言うニスのような役割)で主に使われますが、色のある紙に透明ツヤプリをすると紙が濡れたような発色になります。そんな発色を活用したアイディアが大変お見事でした!

ちなみに、透明インクをツヤプリせずに、通常印刷した比較はこんな感じです↓↓↓

透明ツヤプリ無し(通常印刷)は、印刷部分が全体的にマットのような仕上がりになります。ベタなのでインク落ちがしやすいですが、イメージによって使い分けてみて下さいね!

POINT
「灰色の紙×白インク」でも広範囲のベタであればそこそこ見えてきます!
境目を作ってあげることで差がくっきり生まれ、白インクの発色がより見えてきます◎

※※ 注 意 ※※
ツヤプリ印刷は、面積により価格が変動します。
広範囲にツヤプリがある場合は高額になる可能性が高いので、事前のお見積もりがオススメです◎

白インクはひっそりと使うことが多くなりがちですが、使い方によって雰囲気をグッと演出してくれたりと「ひっそりしていながら縁の下の力持ち」なインクです!
紙によって発色の仕方が異なったり、デザインによっては視認性に欠けることがあったりと、一筋縄ではいかないこともありますが、気になる場合はさまざまなパターンでの試し刷りがオススメです◎

<他、過去記事で参考になるもの>

・Twitter #レトロ印刷_気になる白インク
(「にごり紙 墨」「はんくろ」は廃盤、ねずみは現在代替品を使用)