
シルクスクリーンの問い合わせで多いのが「○○(素材)に刷れますか?」というお問合せ。
今回は、そんな中でも個人的に気になっていた「珪藻土」に印刷してみました。
平らなコースターを手に入れる。
最近は100円均一でも手に入る珪藻土コースター。 便利ですね~。 ただ、お店によっては、すでに柄が入っていたり、 凹凸のあるデザインのものしか置いていないところもありました。 シルクスクリーンで印刷する場合は、なるべく平らなものを探しましょう。


今回はつるんとした白色のコースターと すこし表面がボコボコしているシリーズの白色と灰色を見つけてきました。
刷る前の準備
2色刷りで2パターンの図案を考えてみました。 イメージはこんな感じ。 このイメージも刷るときに使用するので、プリントアウトしておきましょう。

ホルダーをつかって版を固定します。 イメージに近づけるために、先ほどプリントアウトしたイメージ図を作業台に貼りつけ、それにめがけて版の位置を合わせていきます。


一色目の印刷
セッティングが完了したら、まずは一色目。


キレイに刷れました。
ただ、思っていたよりもコースターが軽かったのとブルーの版がベタ面だったため、一枚だけ版を上げた時にへばりついてしまい、はがすタイミングでブレてしまいました…(右下の一つ)
ベタを刷るときはコースターの裏面をマスキングテープで留めるなどしておくと良さそうです。

乾燥させる
一色目が刷れたら乾燥させます。 自然乾燥で1時間ほどでも乾燥できましたが、 1~2分ほどドライヤーを使って乾燥させてもすぐに乾きました。
二色目を刷る
一色目がしっかり乾燥したら、二色目のセッティング。
二色目は透明シート(クリアファイルなどで◎)を使用して位置合わせしていきます。

刷るもの(今回はコースター)と、高さが同じぐらいの期の板を並べます。
透明シートをマスキングテープなどで木に貼りつけて、そのままシートに二色目を印刷します。

こんな状態。 この透明シートの下にコースターを置き、一色目との位置をコースターを動かしながら合わせていきます。

刷る前に透明シートはめくって、今度はコースターに二色目を印刷します。

ピッタリ!
イメージに近い仕上がりになりました~

同じ方法でもうひとつのデザインもキレイに印刷できました。
今回、文字は10ptぐらいで作成しましたが、にじみやつぶれも気にならない程度に仕上がりました。
素材に凹凸がある分、ベタの部分は印刷できていない箇所もできましたが、それもいい感じに仕上がっています◎

肝心の吸水性は?
吸水性に優れている珪藻土コースター。 肝心の吸水性は印刷後も維持されているのか? しっかり乾燥させた後に水滴をのせてみました。

やはり、ベタっとインクがのっている箇所はすぐに吸水してくれません。 (時間が経つと、インクがのりきらなかった凸凹の隙間から吸水して、水滴はなくなりました) コースターとしての機能も重視される場合は、 ベタを控えたデザインにしていただくことをおススメします。
【番外編】削ればまた刷れる?
商品の説明書きに 『吸水力が落ちいてきた場合は、紙ヤスリで薄く表面を削ってください』 とある… ということは、失敗したのも削ればまた刷れるのか? おススメは400番台の紙ヤスリ、とのことでしたが、 手元にあったのが600番の紙ヤスリだったので削ってみました。

削りきれ…ない… やはり染み込んだインクまでは簡単に削れないようです。
薄くはなったので、改めて刷りなおしてみましたがダメですね。

うっすらと残像がのこってしまいました。
くれぐれもセッティングは怠らないようにしましょう。(反省)
まとめ
もっとにじんだり、コースターとしての吸水性に問題が起きるのでは? と思っていましたが、意外とキレイに刷れました。 お店のオリジナルコースターや、ちょっとしたプレゼントにもよさそう!
ぜひ試してみてくださいね~

今回の実験で使ったもの
製版XSサイズ (今回は120メッシュを使用)
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SURIMACCA ホルダー
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SURIMACCAインク(ブラック)
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SURIMACCAインク(イエロー)
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SURIMACCAインク(ブルー)
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SURIMACCAは、シルクスクリーンの製版サービスやオリジナルキットの開発のほか、シルクスクリーンの作業場を全国に拡げるプロジェクトを行っています。『JAMLAB』ではリソグラフやシルクスクリーンを使った実験や遊び方を紹介しています。
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